グリーンランドの女性たち、過去の政府による強制避妊めぐり補償求める
クリスティー・クーニー、BBCニュース

デンマーク領グリーンランドの女性67人が2日、1960年代の強制避妊キャンペーンをめぐり、デンマーク政府に補償を求めた。
グリーンランドではかつて、先住民の出生率を制限する目的で、女性たちが説明や同意なしに子宮内避妊具(IUD)を装着された。国の記録によると、1966~1970年だけで少なくとも4500人が対象とされ、最年少は13歳だった。
この件に関する調査は2025年に終了する予定。女性たちは、現在70代の人もいることから、1人当たり30万クローネ(約630万円)の補償を即時実施するよう求めている。
グリーンランドは現在、デンマークの準自治領。1953年まではデンマークの植民地だった。
強制避妊キャンペーンの規模は、公共放送局のデンマーク放送協会(DR)が昨年、ポッドキャストで明らかにした。
それによると、グリーンランドでは1969年末までに、子どもを産む可能性のあった女性の35%がIUDを装着されたと、グリーンランド自治政府は推定している。
デンマークとグリーンランドの政府は調査委員会を設置。調査結果は2025年5月以降に公表する予定だとしている。
不妊症になった人も
補償を求める活動を開始した心理学者ナジャ・リバースさんは、「調査結果を待ちたくない」と話した。
「私たちはどんどん年をとっている。1960年代にIUDを挿入された最年長は1940年代生まれで、80歳に近づいている。今すぐ行動したい」
リバースさんによれば、装着された器具が大き過ぎて、深刻な合併症や不妊症を引き起こした女性もいるという。最近になって婦人科医が見つけるまで、自分の体に器具が装着されているのを知らなかった女性もいるという。
リバースさんは、社会福祉の費用を節約する目的でグリーンランドの人口をコントロールしようとしたとして、当時のデンマーク政府を非難した。
「デンマーク政府が私たちの人権を侵害し、私たちに深刻な被害を与えて法律を破ったことは、すでに100%明確だ」
女性たちの代理人を務めるマッズ・プラミング弁護士は2日、メッテ・フレデリクセン首相のオフィスに補償を求める文書を送った。
リバースさんは、調査委員会の結果が出るまで、政府は要求を拒否するだろうと述べた。そして、その通りになった場合は、裁判を起こす考えだとした。
デンマークは昨年、1950年代に家族から引き離した先住民イヌイット6人に謝罪し、補償金を支払った。引き離したのは、グリーンランドにデンマーク語を話すエリート層をつくるためだった。
グリーンランドは人口5万7000人。世界最大の島で、世界最北の陸地でもある。
独自の旗、言語、首相をもつ一方で、通貨、司法制度、外交・安全保障はデンマークと共通となっている。








