ウクライナ代表の出身地、出演中に砲撃され 欧州歌合戦ユーロヴィジョン
ヴィタリ・シェヴチェンコ、トマス・マッキントッシュ BBCモニタリング

ヨーロッパ各国が参加する毎年恒例の歌合戦「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」決勝が13日夜、英リヴァプールで開催された。ウクライナ当局によると、ウクライナ代表のグループ「トヴォルチ」が出演する直前、メンバーの出身地テルノピリがロシアのミサイル砲撃を受けた。
ユーロヴィジョンは前年に優勝アーティストを輩出した国が開催地となるルールだが、2022年に優勝したウクライナではロシアによる侵攻が続いているため、イギリスが代理開催国となった。「トヴォルチ」がリヴァプール・アリーナのステージに上がる10分前、ウクライナ西部テルノピリが攻撃されているという報告を「トヴォルチ」がインスタグラムに投稿した。
テルノピリ州のウォロディミル・トラシュ州知事は、2人が負傷したと確認した。テルノピリのセルヒイ・ナダル市長は、倉庫が破壊されたと明らかにした。
ウクライナ外務省は、「トヴォルチ」の演奏前後にロシアがキーウとテルノピリを攻撃したと非難した。
ユーロヴィジョン出演後に「トヴォルチ」はインスタグラムで、「テルノピリは私たちの地元の街の名前。私たちがユーロヴィジョンのステージで、鉄の心と不屈の意志について歌っている間、ロシアに爆撃されていた」と書いた。
「これは毎日砲撃されているウクライナの全都市のためのメッセージです。ハルキウ、ドニプロ、フメルニツキー、キーウ、ザポリッジャ、ウマン、スーミ、ポルタヴァ、ヴィニツィア、オデーサ、ミコライウ、チェルニヒウ、ヘルソン、そしてその他のすべての都市のため」
「ヨーロッパ、平和のため、悪に対抗して団結しましょう!」

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「トヴォルチ」はプロデューサーのアンドリイ・フツリアク氏とナイジェリア出身の歌手ジェフリー・ケニー氏のデュオ。「Heart of Steel(鉄の心)」という曲で出場した。この曲は、昨年2月の戦争開始から2カ月以上、南東部の港町マリウポリのアゾフスタリ製鉄所で、ロシア軍に抵抗し続けた部隊を題材にしたもの。
「トヴォルチ」はパフォーマンスを終えるとこぶしを突き上げ、他の国々の出場者がウクライナの国旗を振った。

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イギリスの駐ウクライナ大使、デイム・メリンダ・シモンズはツイッターで、「トヴォルチ」のパフォーマンスは「心を打つ」ものだったと書いた。さらに、「このユーロヴィジョンの夜に、またしてもウクライナはロシアのミサイル攻撃を受けている。なぜウクライナが今年の開催国になれなかったのか、あらためて示されている。ロシアは侵略を続け、ウクライナの人たちは今なお危険の中で暮らしているからだ」と、大使は書いた。
今年の決勝ではスウェーデン代表のロリーンさんが優勝した。
他方でテルノピリのナダル市長はフェイスブックで、「トヴォルチ」が演奏中に街を応援したことに感謝し、「ちょうどそのときこの街はロシアのミサイルに攻撃されていた。ありがとう。あなたたちのスピーチはこの国だけでなく、世界全体の団結を象徴するものになった」と書いた。
ロシアはまだ正式にコメントしていない。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日、ローマ教皇庁を訪れ、教皇フランシスコと会談。イタリアのジョルジャ・メローニ首相とも会談した。その後は、ドイツへ向かい、現地時間14日未明にベルリンに到着した。








