ロシア、4月の国連安保理議長国に 「最悪のジョーク」とウクライナ怒り

A Russian tank in the occupied Ukrainian city of Mariupol in March last year

画像提供, Reuters

画像説明, 昨年3月にロシア軍に支配されたウクライナ・マリウポリで撮影されたロシア軍の戦車

ロシアは4月1日から1カ月間、国連安全保障理事会の議長国を務める。ロシアの侵攻を受けるウクライナは加盟国に対し、ロシアの議長国就任を阻止するよう求めていた。ロシアの安保理議長就任にウクライナのドミトロ・クレバ外相は、「エイプリルフール史上最悪のジョーク」だと強い怒りを示した。

安保理の議長は輪番制で、ロシアを含む15理事国が毎月交代で務める。

ロシアが前回、議長国を務めたのは、ウクライナへの全面的侵攻を開始した昨年2月。

ウクライナ侵攻をめぐっては、国際刑事裁判所(ICC)が先月、戦争犯罪容疑でウラジーミル・プーチン大統領らに逮捕状を出している。

逮捕状が出ている人物が率いる国が今後1カ月間、安保理を主導することとなる。

国連安保理の常任理事国5カ国はイギリス、アメリカ、フランス、中国、ロシア。

アメリカは、常任理事国ロシアの議長国就任を阻止することはできないとしていた。

議長国の役割はほとんど手続き的なものだが、ロシアのヴァシリー・ネベンジア国連大使はロシア国営タス通信に対し、軍備管理などいくつかの討論を差配する予定だと語った。

同大使は「一極支配に取って代わる」、「新しい世界秩序」について議論するつもりだとした。

ウクライナは反発

ウクライナのクレバ外相は、「エイプリルフール史上最悪のジョーク」で、「国際安全保障構造の機能が、どこかおかしいとあらためて痛感させるもの」だとツイッターで批判した

ロシアが議長国に就任した1日に外相はさらに、「国際社会への平手打ち」で、ロシアは「国連安保理の無法者」だと書いた。

ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問は、この動きは「国際法に対する新たな破壊行為だ。(中略)侵略戦争を行い、人道及び刑法の規範に反し、国連憲章を破壊し、原子力安全性を軽視する存在が、世界の主要な安全保障機関のトップを務めることなどできない」とツイートした。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は昨年、安保理がロシアの侵攻を防ぐために十分な行動を取らなかったと非難し、改革するか「完全に解体」するよう迫っていた。

ゼレンスキー氏はさらに、ロシアを安保理から除名するよう求めている。

しかしアメリカは、国連憲章では常任理事国の除名に関する規定がなく、なすすべがないとしている。

「残念ながら、ロシアは安全保障理事会の常任理事国で、この現実を変えるための実行可能な国際的な法的手段は存在しない」と、ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官はこのほど定例会見で述べた。

さらに、ロシア政府が「偽情報を広めて」ウクライナでの行動を正当化するため、安保理の議席を利用し続けると、アメリカ政府としては予想していると付け加えた。

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15カ国で構成される国連安全保障理事会は、世界の平和を維持する責任を担う。

常任理事国5カ国の顔ぶれには、第2次世界大戦後に安保理が設立された当時の権力構造が反映されている。

非常任理事国10カ国は、任期2年で地域ごとに選出される。日本は今年1月から非常任理事国として、安保理に参加している。

常任理事国のロシアには拒否権がある。安保理決議案を採択するには15カ国中9カ国が賛成し、なおかつ全ての常任理事国が賛成しなくてはならない。

ロシアは昨年2月、ウクライナ侵攻を受けてロシアの即時撤退を求める決議案に拒否権を行使した。中国、インド、アラブ首長国連邦は棄権した。

同年9月にも、ロシアによるウクライナ東部・南部4州の違法併合を非難し、ロシアの即時撤退を求める決議案に、ロシアが拒否権を行使。この時はブラジル、中国、ガボン、インドが棄権した。