パキスタンのモスクで自爆攻撃、多数死傷 警察本部の近く

Rescue workers at the scene of a blast at a Mosque, in Peshawar, Pakistan, 30 January 2023

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画像説明, ペシャワルのモスクでは救助活動が続いた(1月30日撮影)

パキスタン北西部ペシャワルのモスク(イスラム教の礼拝堂)で30日に発生した自爆攻撃の死者は増え続け、翌日午前までに少なくとも87人に上っている。また、被害者が搬送された病院によると、負傷者も100人以上に上る。攻撃は、礼拝中の警察官を狙ったものとみられている。

爆発は、午後の礼拝の時間に当たる午後1時30分ごろに発生。標的となったモスクは、警察本部や情報機関、テロ対策当局などが集まった場所にあり、ペシャワルでも最も警備が厳しいエリアだという。

ソーシャルメディアで拡散された動画では、モスクの壁の半分が吹き飛ばされている。散らばったれんがやがれきを大勢がよじ登り逃げようとする様子も映っていた。この動画が確かに現場を撮影したものだと、BBCは検証・確認した。

がれきの下から被害者を救出する活動は31日も進められ、すでに18時間以上続けられている。

現場の報道官は、あらたに20人超の遺体が発見されたと話し、「がれきの下にさらに死者がいる可能性がある」と述べた。

また、亡くなった警官20人以上の合同葬儀が行われ、国旗に包まれた棺が並んだ。

Lines of coffins draped in Pakistan flags

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画像説明, パキスタンの国旗に包まれた棺

今回の攻撃をめぐっては、パキスタン系タリバンの上層部の1人が犯行声明を出したが、タリバンは後にこれを否定している。

タリバンは昨年11月に停戦を破棄。それ以降、暴力が増えてきている。12月には、今回の事件のように警察署が標的となり33人が亡くなった。

パキスタンのシェバズ・シャリフ首相は、「テロリストらは、パキスタンを守る任務に就いている人たちを標的にすることで、恐怖を与えようとしている」と非難。ペシャワルを緊急訪問し、負傷者を見舞った。

また、自爆テロの犯人らは「イスラムとは関係ない」と指摘し、「全国民がテロリズムの脅威の目に団結し、立ち上がっている」と述べた。30日は国全体で服喪すると宣言した。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、攻撃を非難した。グテーレス氏の報道官は、「信仰の場でこのような攻撃が行われたことが、特に言語道断だ」と述べた。

ペシャワルでは昨年3月にもシーア派ムスリムのモスクで爆発事件があり、数十人が亡くなった。パキスタンでは、スンニ派ムスリムが多数を占める。

モスク周辺には警官数百人

Security officials inspect the site of a mosque blast inside the police headquarters in Peshawar on January 30, 2023.

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画像説明, 自爆攻撃のあったモスクの内部

ペシャワル警察のムハンマド・イジャズ・カーン長官は地元メディアに対し、事件当時、モスク周辺には300~400人の警官がいたと語った。

爆発から数時間後、BBCニュースは負傷者で溢れかえる施設を取材した。その大半が、警察の制服を着ていた。

爆発で皮膚にやけどを負い、全身に治療薬を塗られている患者もいた。一方、落ちてきたがれきで骨折した被害者、爆発音のためにまだ耳が聞こえないという被害者もいた。

被害者の1人は、がれきの下に閉じ込められ、救出まで1時間近くかかったと話した。

A man, still wearing his police uniform, receiving treatment in hospital in Peshawar
画像説明, 事件後のペシャワルの病院の様子

事件を受け、首都イスラマバードでは警察が警戒態勢に入り、市内への全ての出入り口で警備を強化した。

パキスタンでは今週、外交上、重要なイベントが続く。

30日にはアラブ首長国連邦(UAE)のモハメド・ビンザイード・アル・ナヒヤーン大統領がイスラマバードを訪問する予定だったが、直前に悪天候で中止となった。

31日には国際通貨基金(IMF)の代表団が、パキスタンの債務不履行回避に向けた金融財政支援のために、同国を訪れる。