今年の単語は「ゴブリン・モード」 初の一般投票で=オックスフォード英語辞典

A woman sitting on her phone in a messy room.

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オックスフォード英語辞典を出版する英オックスフォード・ランゲージズは、2022年の「今年の単語」が「ゴブリン・モード」(goblin mode)になったと発表した。今回初めて、一般投票での選出となった。

「ゴブリン・モード」は、オックスフォードの辞書編纂(へんさん)者が選んだ3つの候補のうちの1つで、「恥ずかしげもなく自分勝手で、怠惰で、ずぼらで、貪欲な行動」を指すスラングだ。

何千もの人が「ゴブリン・モード」から抜け出して投票した結果、全体の93%(31万8956票)という圧倒的な得票数で1位となった。

では、「ゴブリン・モード」とは具体的にどんな意味なのか。

オックスフォード・ランゲージズによると、このスラングは「私は今ゴブリン・モードだ」や、「ゴブリン・モードに入る」といった使われ方をする。「恥ずかしげもなく自分勝手で、怠惰で、ずぼらで、貪欲で、たいていの場合、社会の規範や期待を拒否するような方法で表れる行動」だという。

ゴブリンとは、人間に悪さをしたりトラブルを引き起こしたりする、醜い姿の架空の生き物。日本語では「小鬼」と訳されることが多い。

「ゴブリン・モード」という言葉がインターネットに登場したのは2009年ごろだが、モデル兼俳優のジュリア・フォックス氏にまつわるスキャンダルや、掲示板サイト「レディット」でゴブリンのように振る舞う人物を表すために使われたことから、今年になって拡散した。

また、新型コロナウイルス対策の制限が緩和される中、元の生活に戻りたくないと気づいた人たちが、この言葉をよく使うようになったという。

自分の内なるゴブリンを受け入れてきた?

雑誌「PCゲーマー」は、「細かい違いはさておき、オックスフォードの『今年の単語』では、『メタバース』よりも『ゴブリンモード』に投票してほしい。ゴブリン・モードは最高だから」と、読者に投票を呼び掛けるキャンペーンを行った。

オックスフォード・ランゲージズのキャスパー・グラスウォール会長は、人々は自分の内側にいるゴブリンを受け入れてきたのだと話した。

また、一般投票について「人々に選出プロセスを楽しんでほしいと思っていたが、これほど多くの人が参加したことは大きな驚きだった」と語った。

「私たちが何者であるかを理解し、私たちを取り巻く世界に起きていることを処理するために、言葉がいかに重要かが、この反響の大きさに表れている」

「この1年を振り返るに、『ゴブリン・モード』は、世界の状況に少し圧倒されていると感じている私たち全員に響く言葉だ。自分たちは常に、インスタグラムやティックトックで見せるべきだとされているような、理想化され編集された姿ではないと認めて、安心するための言葉だ」

言語専門家のスージー・デント氏は「ゴブリン・モード」について、「ある意味、とても軽薄な選択肢に見えるが、実は掘り下げれば掘り下げるほど、現状に対する一種の反動だと気づかされる。私たちはもはや、フィルターに人生を左右されることを望んでいない」と説明した。

残りの2つの候補は、デジタル空間を指す「メタバース」(1万4484票)と、ハッシュタグ「#IStandWith」(私は〇〇の味方、8639票)だった。

昨年の「今年の単語」は、新型ウイルスのワクチン接種が始まったことに由来し、ワクチンを短縮した「ヴァックス(Vax)」が選ばれた。