村、丸ごと売り出し スペインで約3800万円

An aerial view of Salto de Castro, a hillside village on the Portuguese border

画像提供, Balles2601/Wikimedia Commons

画像説明, スペイン北西部のサルト・デ・カストロ村は、30年以上住民がいない

地方の住む人のいない家が売り出されることは世界各地で珍しくないが、スペインでは「村」が丸ごと売りに出され、関心を呼んでいる。

売られているのは、スペイン北西部サモラ県のサルト・デ・カストロ村。26万ユーロ(約3800万円)の値が付けられている。

首都マドリードから車で3時間のところにあり、ポルトガルとの国境に接している同村には、スペインの小さな町で見られるような建物が数多くある。ホテル、教会、学校、公営プール、住宅44戸、かつて治安警備隊が使っていた宿舎などだ。

しかし、この村にないものがある。住民だ。30年以上、誰も住んでいない。

現在の所有者は、2000年代初め、この村を観光地にするつもりで買った。だが、ユーロ圏の債務危機で、計画は立ち行かなくなった。所有者の代理人によると、「所有者はホテルを建てる夢をもっていたが、すべて頓挫した」。

この「物件」が掲載されているウェブサイト「イデアリスタ」では、所有者が「都市で暮らしていて(村の)維持管理ができないため売却する」と説明している。所有者は80代の高齢だという。

サイトに掲載されたのは1週間ほど前。以来、5万回以上のアクセスがあった。代理人によると、300人ほどが購入に興味を示し、ロシア、フランス、ベルギー、イギリスから問い合わせがあった。すでに予約金を払った購入希望者もいるという。

Ronnie Rodríguez

画像提供, Royal Invest

画像説明, 「売り物件」と書かれた紙を手にする現所有者の代理人(サルト・デ・カストロ村)
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サルト・デ・カストロ村は、電力会社イベルドゥエロが1950年代前半、近くで貯水池を建設するにあたり、労働者の家族のためにつくった。

だが、建設工事が終わると住民たちは転居し、1980年代後半には完全に廃村となった。

同村は「空っぽのスペイン」と呼ばれるようになった、人口密度の低い地域にある。都市部で利用できるサービスの多くが存在しない。

同村はかつて、650万ユーロで売りに出された。しかし、買い手がつかず、多くの建物が荒らされたこともあり、価格は急落した。

現在の26万ユーロという価格は、マドリードやバルセロナの高級エリアにある1ベッドルームの集合住宅とほぼ同じ価格だ。

観光地に変えるには、多大な資金が必要となる。イデアリスタは、「この村を100%機能させ、利益が上がるようにするには、200万ユーロ超が必要だ」としている。