スリランカ首相が辞任 経済危機で抗議デモが激化

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スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ首相が9日、辞任した。同国は経済危機に見舞われ、政府に対する抗議デモが広がっていた。辞任後、憤慨した暴徒らと政府支持者らの間で衝突が発生し、首相の家族や国会議員らの家が焼き払われた。
スリランカでは先月から、物価の高騰や停電をめぐってデモが激化している。多くの国民は、首相の弟であるゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣も求めている。
最大都市コロンボではこの日、首相が辞任すると、デモ参加者らが首相公邸になだれ込もうとした。公邸前では、政府支持者とデモ参加者たちの激しい衝突が発生。デモ参加者らはバスに火を放った。その後、デモの主な開催場所となってきた海沿いの緑地ゴール・フェイス・グリーンで衝突が続いた。

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警察と機動隊が出動し、警備線を突破して棒などでデモ参加者らを襲った政府支持者に向かって、催涙ガスや放水銃を発射した。デモ参加者にも威嚇射撃し、催涙ガスを発射した。
警察によると、怒ったデモ参加者らは仕返しとして政府支持者を攻撃。与党議員らを標的にした。議員の1人は、自らの車に群がってきた暴徒のうち2人を射殺し、その後自殺したという。
深夜になると、抗議する暴徒らがラジャパクサ家や閣僚、国会議員たちの家を襲撃した。ソーシャルメディアに投稿された動画には、歓声を上げる人々のそばで、住宅が炎に包まれる様子が映っていた。
報道によると、大統領公邸の付近の地区でも放火があった。
この衝突で、5人が死亡、190人以上が負傷したとされる。
当局は暴力の鎮静化のため、全土を対象とした夜間外出禁止令を11日朝まで延長した。
観光業が壊滅状態に
スリランカは、1948年のイギリスからの独立後で、最悪の経済危機に直面している。国民は生活費が上昇し過ぎているとして、強く憤っている。
スリランカの外貨準備高は事実上枯渇。国民は食料、医薬品、燃料などの必需品も買えなくなっている。
政府は緊急の資金援助を要請している。今回の経済危機については、大きな外貨獲得源の1つである観光業が、新型コロナウイルスの影響で壊滅的な打撃を受けたのが原因だとしている。しかし、多くの専門家は、経済対策のまずさも理由だと指摘している。





