シュレッダーされたバンクシー作品、25億円で落札 総額は過去最高

Oliver Barker brings down the hammer on the record sale

画像提供, Haydon Perrior

画像説明, オークションを取り仕切ったサザビーズのオリヴァー・バーカー氏は、「落札のハンマーを振り下ろすのがとても怖い」と言い、参加者の笑いを誘った

英競売大手サザビーズで15日、過去のオークション中に額縁に仕掛けられたシュレッダーにより自壊した覆面アーティストのバンクシーの作品が、新たに1600万ポンド(約25億円)で落札された。総額では、同氏作品の最高額を更新した。

バンクシーの作品「少女と風船」は2018年、サザビーズで100万ポンド(約1億5000万円)で落札された瞬間、額縁の下部に隠されていたシュレッダーの中を落下していった。その後、この作品は「愛はごみ箱の中に」と改名された。

15日のオークションでは、400万~600万ポンドという参考価格をはるかに超える値がつけられた。落札者が負担する諸費用を含めると、支払総額は1850万ポンドにのぼるという。

バンクシーの作品は今年3月にも総額1680万ポンドで落札されたが、今回はこれを上回り、過去最高額となった。

オークションを取り仕切ったサザビーズのオリヴァー・バーカー氏は落札が決定した後、作品が「まだそこにある」ことに安心したとジョークを飛ばした。

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バーカー氏はオークション開始前、この作品は3年前、サザビーズで「欧州の個人投資家」に落札された後に「予期せぬパフォーマンスアート作品となった」と紹介した。

オークションは250万ポンドから始まったが、入札が相次ぎ、数分後には1000万ポンドに到達。その後、入札者が減る中で1500万ポンドに達した。

個人投資家の代理人ニック・バッカリー=ウッド氏が、依頼人から提示された1600万ポンドを提示した後、それを超える入札がないかを待つ間には、不安そうな一瞬もあった。

対抗していた入札者が頭を振ったことで、1600万ポンドでの落札が決まった。

バーカー氏はその後、「決定のハンマーを振り下ろすのがとても怖い」と言い、参加者の笑いを誘った。

「本物のアイコン」

「愛はごみ箱の中に」は、バンクシーがそのゲリラ風スタイルで世間をあっと言わせた作品だ。

サザビーズで現代美術を担当するアレックス・ブランチク氏は、シュレッダー事件は「作品を破壊したというより、創造したといえる」と話した。

また、「きょうこの作品は、反権威主義の芸術としてあがめられる遺産の後継者として認められた」、「バンクシーの究極の芸術作品であり、近年の美術史における本物のアイコンだ」と説明した。

2018年のオークションで「少女と風船」を落札した女性は、「最初はショックだったが、自分の所有作品が美術史になるのだと気づいた」と述べ、自壊した作品の購入に応じていた。

「愛はごみ箱の中に」は2019年3月から、ドイツのシュトゥットガルト州立美術館に無期限貸与されている。