中国のゾウ15頭の群れ、500キロ北上し都市部に

画像提供, A herd of Asian elephants has been wandering throu
中国南部・雲南省で野性のゾウの群れが北上を続けており、2日には数百万人が暮らす省都・昆明市に到達した。
アジアゾウ15頭の群れは500キロにわたり北上し続けている。移動の途中、農作物を取ったり、食べ物を探して住宅のドアの隙間から鼻を突っ込んだりしている。
ゾウの安全を確保しようと、何トンものえさを投入して大掛かりな作業が進められている。
ゾウがなぜ生息地を離れたのかは分かっていない。
経験の浅いリーダーが群れを道に迷わせたのではないかとの見方や、新しい生息地を探している可能性を指摘する声があがっている。
アジアゾウは絶滅の危機にひんしている。中国では主に雲南省南部にわずか300頭ほどが生息するだけだ。
科学者たちは今回の移動について、中国の野生のゾウが生息地から離れた距離としては最長だとしている。
地元紙の昆明日報によると、昆明市と玉溪市は警官と救急隊員を700人近く配備。トウモロコシやパイナップルなどの食料約10トンを用意した。また、ゾウを安全な道へと誘導するため、トラックやドローンも投入された。
住民らはゾウを見に行ったり、トウモロコシや塩を放置したりしないよう指示されている。距離を確保し、爆竹で驚かせないようにも言われている。

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動物の専門家たちは、遭遇する人間の数が増えたことで恐怖が増したのか、ゾウの移動速度が上がっているようだと指摘。昆明市内に入ろうとする可能性は低いとした。
ゾウを引き返させる作戦は失敗に終わっている。科学者たちは周辺地域で生息に適した場所を見つけなければならなくなるかもしれない。
ゾウたちの旅
ゾウの群れがいつ故郷を離れたのかはわかっていない。雲南省南西部・西双版納にある自然保護区からやってきた可能性がある。
当局は4月、西双版納の北100キロの地点で、地元の人がゾウの群れを発見したことから、移動に気付いたとみられる。

当初は17頭いると思われていたが、うち2頭は墨江県に到着した時点で引き返したようだ。また、当初は16頭の群れだったが、生まれたばかりの子ゾウがいたため2頭が移動をやめたとの報告もある。
群れは農場やアスファルトの上などを、昼夜問わず歩き続け、住宅のドアをたたくなどした。
住民が「ゾウがやってきた」と叫んで逃げ出し、警察が駆けつける様子を捉えた動画がソーシャルメディアに投稿されたと、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは伝えた。
雲南省政府の通知によると、このゾウの群れは同省で412回もトラブルを起こしたという。
老人ホームにゾウが鼻を突っ込み、高齢男性がベッドの下に隠れたとの報道もある。
少なくとも1頭が、発酵した穀物を食べて酔っ払ったという報告もあるが、事実確認は難しい。
また、これまでに100万ドル(約1億1000万円)相当の作物が被害にあったとされるが、幸い負傷者は出ていない。

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西双版納の林業関係者は中国紙「環球時報」に対し、ゾウの生息地では従来の食べ物が減少しており、現在ではトウモロコシやサトウキビなどの農作物を食べるようになっていると語った。
ゴムや換金性の高い作物などの栽培により生息地がさらに減少すれば、今回のようなゾウの移動が今後また発生する可能性がある。





