アフガニスタン大統領、今が「平和への格好の機会」 BBC独占インタビュー

Afghan President Ashraf Ghani and Lyse Doucet at the Presidential Palace in Kabul
画像説明, アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領(右)が、BBCのリーズ・ドゥセット主任国際特派員の独占インタビューに答えた

アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、北大西洋条約機構(NATO)が駐留部隊を撤退させる最終決定はしていないとしたことを受け、「和平プロセスを加速させる格好の機会」だと述べた。

BBCのリズ・ドゥセット主任国際特派員による独占インタビューでガニ大統領は、NATOの発表は「この紛争のあらゆる関係者が再計算の末に、武力は解決にならないという、我々がずっと前に得ていた答えにたどり着く」機会を与えたと話した。

「我々は政治的な和解にたどり着かなくてはならない」

NATO軍は20年にわたってアフガニスタンに駐留している。現在は1万人の兵士が駐留しているが、アメリカのドナルド・トランプ前政権と反政府勢力タリバンが昨年2月に結んだ合意では、今年5月までに完全撤退することになっていた。

しかし、撤退によってタリバンによる暴力行為が加速する懸念が出ている。

ガニ大統領はまた、「ある種の振る舞いは受け入れられないという警告を送る」ために、国際的な「協力体制」が必要だと述べた。

一方で、アフガニスタン側が必要とする外国軍の規模や期間などには触れず、「戦争の深刻さによる」と答えた。

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ジョー・バイデン米大統領は現在、トランプ前大統領による合意を再検討している。現在アフガニスタンに駐留している外国軍の大半はアメリカ軍ではないが、アメリカの支援がなくなれば、NATOの活動も継続が難しくなる。

アメリカ軍は2001年の同時多発攻撃の後、タリバン政権を排除するためにアフガニスタンに進攻した。タリバンはその後、勢力を回復し、2018年までに同国の3分の2を支配下に治めた。

アフガニスタン政府は、トランプ政権とタリバンとの協議から締め出されていた。

ガニ大統領は今回、バイデン新政権との関係や、アフガニスタンの将来に対する国際社会の「団結」に「喜んでいる」と話した。

大統領は、政府とタリバン双方が紛争に向けた準備をしていると認めた上で、「団結力こそ、悲劇を招かないために私がよりどころとしているものだ。内戦に陥るのではないかという恐怖があちらこちらにある」と述べた。

一方で、タリバンに軍事力で負ける懸念はないと主張。「ここはヴェトナムではない。政府は崩壊しない」と説明した。

動画説明, タリバンと平和は築けるのか? BBC記者がアフガニスタンで取材

政府とタリバンの和平協議は現在、停滞しており、国内では暴力事件が増えている。

しかしガニ大統領は、全体の流れは「希望のあるもので、絶望ではない」と強調した。

国内では、暫定政府がタリバンを迎え入れ、混乱や内戦を避けるべきだとの声が高まっている。

アフガニスタンの大統領は任期5年で、ガニ大統領は2024年に2期目を終える。大統領は自分の任期よりも平和の方が大事だと述べた一方、「未来は机の後ろに座って夢を見ている人ではなく、アフガニスタン国民によって決められるべきだ」と話した。

その上で、平和を実現できるかどうかという点では、向こう1年であらゆる関係者が難しい決断と犠牲を強いられると語った。

「我々は焦燥感を持っており、難しい決断をしようとしているし、その必要が出てきている。この国では40年間暴力が続いている。もうたくさんだ」

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<解説>リズ・ドゥセット主任国際特派員

厳重に守られた大統領宮殿では、新たな自信が生まれていた。

トランプ米大統領がアフガニスタン政府よりもタリバンの方が価値あるパートナーだとでも言うようなメッセージを発していた数年間が終わり、ガニ大統領はやっと、自分の話に注目が集まっていると感じている。しかしアメリカ政府はなお、必要以上に軍を駐留させるつもりはなく、「代償を払う用意をしろ」という警告を発している。

ここで言う代償にはガニ大統領の任期も含まれており、本人もそれを分かっているようだ。しかし、傷だらけの歴史があるにも関わらず、大統領はなお、政権の変化には選挙が必要だと主張している。

いかに迅速に権力共有の合意へ至るかについては、大統領の支持者も反対者も大統領とは別の考えを持っている。数カ月で合意できると事態を楽観視する声もある。一方、双方の溝はあまりにも大きいため相当の努力が必要になるという意見もある。ガニ大統領は後者の立場だ。

しかし、政治を取り巻く空気がどのように変わっても、大統領宮殿の塀の向こう側では、毎日市民が命を落としている。

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