伊セリエA、人種差別反対のポスターにサル 「逆効果」と非難

Serie A no to racism

画像提供, Serie A

画像説明, セリエAのシエルヴォ氏(中央)と芸術家のフガゾット氏は16日、記者会見を開いてポスターを発表した

イタリアのサッカー1部リーグ・セリエAが、反人種差別キャンペーンにサルを描いたポスターを用い、批判を浴びている。

セリエAは先月、加盟チームが人種差別の「深刻な問題」に取り組むと宣言したばかり。

ポスターは、「人種差別にノー」(No To Racism)の文字の下に、3頭のサルが描かれている。ミラノにあるセリエAの本部事務所に掲げられる予定。

Serie A no to racism

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画像説明, セリエAの反人種差別キャンペーンのポスター

「世界をあぜんとさせた」

差別の問題に取り組む団体からは、強い批判の声が上がっている。

反差別団体フェア(Fare)は、「イタリアのサッカー界はまたも、世界をあぜんとさせた。セリエAは何を考えていたのか、誰に相談したのか、理解に苦しむ」とコメント。

「この作品は人々を憤慨させる。逆効果であり、アフリカ系の人々の非人間化が続いてしまう」と付け加えた。

差別に反対する団体キック・イット・アウト(Kick It Out)も、「セリエAが反人種差別キャンペーンにサルを使ったのはまったく不適切。どんな前向きな意図をも損なうものであり、逆効果だ」と非難。

「セリエAが再考し、キャンペーンのポスターを変更するよう望む」と述べた。

「みんな似ている」

批判を浴びたセリエAの最高責任者、ルイージ・デ・シエルヴォ氏は、「セリエAはすべての形式の偏見に強固に反対する。人種差別は特有で非常に複雑な問題だと理解している。文化、スポーツ、抑圧の3つの異なるレベルで取り組んでいく」と話した。

ポスターの絵を描いた芸術家のシモーネ・フガゾット氏は、これまでもサルを多く描いてきた。

同氏は16日の記者会見で、「芸術家にとっては、作品を通して認識を変えようとすることが何より重要だ」、「人種差別を語るうえで、人間のメタファーとしてサルを描くことにした」と説明。

青と白の目で欧米のサルを、アーモンド形の目でアジアのサルを描き、その間にすべてのルーツである黒いサルを配置したと解説した。

そのうえで、「違いなどない、人間もサルもない、私たちはみんな似ているということをみんなに教えるきっかけに、サルがなった」と述べた。

相次ぐ人種差別

セリエAでは先月、ブレシアのマリオ・バロッテリ選手が、観客から人種差別発言を受けた。バロッテリは観客について、「心が狭い」、「おろか者」と話した。

一方、インテルのロメル・ルカク選手は9月、ペナルティーキックで得点した直後、対戦相手カリアリのファンからサルの声をまねるような騒音を立てられた。ベルギー出身のルカク選手は、サッカーの試合が「逆戻りしている」と述べた。

カリアリはその後、人種差別的な言動はなかったと発表。これを受け、反差別団体フェアは、イタリアのサッカー界では懲戒制度が機能していないと批判した。

今月に入ってからは、イタリアの新聞コリエレ・デロ・スポルトが、「ブラック・フライデー」の見出しとともに、ルカク選手とローマのクリス・スモーリング選手の写真を並べ、論議を呼んだ。