スイス「公正な食品」計画、国民投票で否決

スイスで23日、動物や地球環境に配慮した倫理的で持続可能な食品に関する2つの提案に対する国民投票が行われたが、圧倒的多数で否決された。
2つの国民投票では、最終的に国民の60%以上が反対票を投じた。
今回の提案は、国内農業や持続可能な農業の促進を狙ったもの。
しかし財界の指導者や政府などこの提案に反対する人たちは、食料品が値上げし選択肢が減ると警告し、反対票を投じるよう勧めていた。
圧倒的な否決という結果は、倫理的な食品を推し進めたい活動家や農業団体にとって大きな落胆となるだろうと、BBCのイモーゲン・フォークス記者(ジュネーブ)は述べている。
提案の内容は?
「公正な食品」と名付けられた最初の提案は、持続可能で動物に配慮した食品に対する政府の支援拡大を求めていた。同時に、消費者に分かりやすいよう商品ラベルをもっと詳しくするよう求めていた。
さらに、食品廃棄物の取り締まりや、輸入食品が労働環境、環境安全性、動物福祉の点でスイスの基準を満たすよう要求もしていた。
もしこれが実施されれば、外国の食品生産者がスイスの法を順守しているかスイスの検査官がチェックする必要があった。
2つ目の「食の主権」はさらに踏み込んだ内容で、国内の家族経営農場に対する国の支援拡大、輸入食品への関税の引き上げ、スイスの基準を満たさない外国食品の輸入禁止などを求めていた。
国民投票前の世論調査では、国内にある小規模の家族経営農場にさらなる投資を求める声が強かった。スイスではここ数年間で、何千もの家族経営農場が廃業を余儀なくされている。
持続可能な農業や動物福祉に関するスイス基準を外国の食品生産者にも適用する必要性を求める提案も、人気が高かったようだ。
しかし国民投票間近になり、政府はこうした対策には法的強制力がないと警告。食品小売業者も食品価格が上がると指摘し、それらが有権者の票を明らかに左右したようだとフォークス記者は説明している。
ヨハン・シュナイダー=アマン経済相は、貿易相手国から関税の引き上げなどの報復措置を誘発するとして、これらの提案を「危険」だと述べていた。
今回の国民投票で食の問題の議論が終わったわけではなく、殺虫剤や集約畜産に対する国民投票がすでに計画されている。







