米プロレスの伝説的人物、ハルク・ホーガンさん死去 71歳

ホーガンさんがマイクを前に立ち、両手で黒いシャツを広げて引きちぎろうとしている。黒いシャツの下には、トランプ米大統領の名前が書かれた赤い袖なしシャツを着ている

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画像説明, 米共和党の全国大会の演説でシャツを引きちぎるハルク・ホーガンさん(2024年7月18日)

アメリカで最も有名なプロレスラーの1人のハルク・ホーガンさんが24日、死去した。71歳だった。

ホーガンさんのマネージャーのクリス・ヴォロさんによると、フロリダ州クリアウォーターの自宅で心停止し、家族に囲まれながら亡くなった。

流れるような金髪と、自転車のハンドルのような形の象徴的なひげで知られた。1953年ジョージア州生まれ。誕生時の名前は「テリー・ジーン・ボレア」。

1977年にプロレスラーになり、1983年に米プロレス団体のワールド・レスリング・フェデレーション(WWF)と契約して一躍有名になった。WWFはのちにワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)と改名している。

NHKなど日本のメディアによると、日本でもたびたびリングに上がり、アントニオ猪木さん(故人)と名勝負を繰り広げるなどし、人気を集めた。

プロレスが爆発的な人気を得る中で、最も目立つキャラクターの1人となった。2005~2007年には米ケーブルテレビVH1でリアリティ番組「ホーガン・ノウズ・ベスト」が放映され、より多くの人に知られるようになった。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに、「ハルクスター」という「偉大な友人を今日失った」と投稿。「ハルク・ホーガンはずっとMAGAだった。強く、タフで、賢く、それでいてとても大きなハートの持ち主だった。共和党全国大会での彼のものすごく刺激的なスピーチは、あの1週間を通してのハイライトの一つだった」と書いた。MAGAは、トランプ大統領のスローガン「アメリカを再び偉大に」を示す言葉。

ホーガンさんは、5月に首、6月には心臓を、それぞれ手術していた。

家族はインスタグラムへの投稿で、「レジェンド(伝説的人物)を失った」、「彼が40年以上にわたって感動を与えてくれた世界中の何百万人ものファンのために残した素晴らしい思い出に、私たち全員が慰めを見いだすことができますように」と記述。「彼は惜しまれるが、決して忘れ去られることはない」とした。

ホーガンさんが両拳を体の前に出して、口を大きく開けている。赤い袖なしシャツ、赤い頭巾、黄色いふちでレンズの色が濃いめがねを着けている。背後に多くのトランプ支持者がいる

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画像説明, 昨年10月のトランプ大統領候補(当時)の集会で支持を表明するホーガンさん

WWEは声明で、「WWE殿堂入りしたハルク・ホーガンが亡くなったことを知り悲しんでいる」と追悼。「ポップカルチャーにおける最も認知度の高い人物の1人として、ホーガンはWWEが1980年代に世界的な知名度を得するのに貢献した」とした。

ホーガンさんはリング上での力強い個性と才能で、プロレスを大衆にとって親しみやすいものにした。

WWE王座を6度獲得し、WWEの代表的イベントのレッスルマニアのメイン出場者を8度務めた。

2005年にWWE殿堂入り。主な対戦相手に、ドウェイン・「ザ・ロック」・ジョンソンさん、「マッチョ・マン」・ランディ・サヴェージさん、アンドレ・ザ・ジャイアントさんなどがいた。

ホーガンさんがリング上で膝をついて、尻を着いているアトラスさんに背後からヘッドロックをかけている。アトラスさんは表情がゆがんでいる

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画像説明, トニー・アトラスさんにヘッドロックをかけるホーガンさん(1981年)

「ハルク」というニックネームは、かつてテレビ化されていたコミック本のヒーローから取った。「ホーガン」はWWFでアイルランド系の人物を目立たせたいと考えていたプロモーターのヴィンス・マクマホンさんが考案した。

ホーガンさんは、リング上では最もアメリカ的なヒーローだった。魅力的なパーソナリティで何百万人もの視聴者を引き付け、プロレスを巨大ビジネスに変えた。

「ロッキー3」などの映画や、テレビドラマ「ベイウォッチ」などにも出演した。「ロッキー」シリーズの主役俳優シルヴェスター・スタローンさんは、ホーガンさんについて、「本当に素晴らしく、彼の驚くような技が『ロッキー3』をとんでもなく特別なものにした」とインスタグラムで書いた

2015年に人種差別的な中傷発言をした録音が出回り、WWEとの契約が打ち切られ、WWE殿堂からも外された。

その3年前には、米ゴシップサイト「ゴーカー」に不倫の動画が掲載された。ホーガンさんはその後、プライバシー侵害で同サイトを訴え、賠償金1億4000万ドル(現在のレートで約206億円)を勝ち取り、同サイトの運営会社を2016年に破産に追い込んだ。

WWEは2018年、再びチャンスを与えるとしてホーガンさんを復帰させた。だが、ニュー・デイさんやタイタス・オニールさんら何人かのWWE所属のスーパースターは、ホーガンさんのかつての発言を「簡単に忘れるのは難しい」と述べた。

ホーガンさんがロープの囲いの中で、右手を右耳に当てている。口は半開きになっている

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画像説明, 流れるような金髪、口ひげ、バンダナで知られた

今年1月にWWEのイベントに出演した際には、ホーガンさんは観客からブーイングを浴びた。

晩年はいくつかの健康問題に苦しんだ。その多くはリングで過ごした数十年間に起因していた。

ユーチューバーでプロレスラーのローガン・ポールさんとの昨年のインタビューでは、「この10年で25回くらい手術を受けた」、「背中の手術が10回、両膝と両股関節、肩......すべてだ」と話していた。

ホーガンさんは3度の結婚をし、最初の妻リンダさんとの間に2人の子どもをもうけた。