英デパート「ハロッズ」元オーナーの性的暴行疑惑、140人以上が被害を届け出

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英ロンドンの老舗高級デパート「ハロッズ」のオーナーだったエジプトの富豪モハメド・アル・ファイド氏(故人)をめぐる、従業員らに対する性的暴行などの疑いに関する捜査で、ロンドン警視庁は13日、これまでに146人から犯罪被害の届け出があったと明らかにした。
ロンドン警視庁は、最新の捜査状況を説明する動画を被害者に送った。その中で、女性と男性双方から犯罪に関する届け出があったとした。また、大勢の新たな証言者が、証拠提出のために連絡してきたとした。
アル・ファイド氏は、1985~2010年にハロッズのオーナーを務め、2023年に94歳で死去した。
ロンドン警視庁は現在、性的暴行やレイプを含む、同氏に関する長年にわたる疑惑に、警視庁がどう対処してきたか、調査を進めている。
また、アル・ファイド氏の行動を手助けした疑いで訴追される可能性がある人物がいるかも調べている。同庁は以前、少なくとも5人を捜査していると発表していた。
今回の報告動画でカレン・カーン警部は、外国の警察を含む国際機関と協力して捜査を進めていると説明。名乗り出たサバイバー(被害を生き延びた人)が非常に多いため、捜査がいつ終わるかを言うのは「難しい」とした。
また、被害者や証言者らに、引き続き届け出をするよう要請した。一方で、警察を信頼することを「ためらう」人がいることも認めた。
ロンドン警視庁は先月、被害者とされる人々に謝罪の手紙を出し、アル・ファイド氏が法の裁きを受けることがないことによって生じている苦痛に対し「本当に申し訳なく思う」と伝えている。
今回の報告動画でロンドン警視庁は、「捜査方法が計り知れないほど進歩しており、私たちのチームはレイプや性犯罪の捜査方法を変えた」と述べている。
ハロッズは今春から補償を開始
146人という最新の届け出人数は、昨年10月の前回発表時の61人の2倍以上だ。
ハロッズは先月、アル・ファイド氏による虐待の被害を補償する制度に、被害者100人以上が加わったと発表した。補償金の支払いは4月末に開始しており、来年3月末まで新規の申請を受け付ける。
ハロッズの今年3月の発表では、基準を満たす申請者は、精神科医の診断を受けることに同意すれば、最高38万5000ポンド(約7660万円)の補償金と、治療費を受け取ることができる。診断を受けない場合は最高15万ポンド(約3000万円)を受け取れる。
申請者らは、ハロッズの幹部との面会や、直接または動画による謝罪、書面による謝罪を受けることもできる。
アル・ファイド氏の「捕食者」としての行動は、昨年9月にBBCが放送したドキュメンタリー番組とポッドキャスト番組で明らかになった。取材では、同氏に性的暴行やレイプを受けたと、元ハロッズ従業員の女性20人以上が証言した。
以来、何十人もの女性が、同じような経験をしたことを明らかにしている。
当時のBBCの取材では、ハロッズの現オーナーは、この疑惑に「まったくがくぜんとした」と述べた。また、被害者は見捨てられていたと述べ、心から謝罪するとした。
BBCのドキュメンタリーの放送後、ロンドン警視庁は、アル・ファイド氏が死去する前に、女性21人からレイプ、性的暴行、人身売買などの性犯罪で同氏を告発する内容の連絡を受けていたことを明らかにした。こうした動きがあったにもかかわらず、アル・ファイド氏が犯罪に問われることはなかった。
警視庁はさらに昨年10月、アル・ファイド氏に関する性的暴行やレイプを含む40件の新たな申し立てがあったと発表した。申し立てのあった出来事の時期は1979から2013年にわたり、すでに寄せられていた21件に加えられた。
現在、政府の警察監査機関「警察行為独立事務所(IOPC)」の指示のもと、アル・ファイド氏に対する疑惑の処理に関して警視庁に出された2件の苦情について、同庁が調べを進めている。






