英で難民申請者のホテル収容に住民の抗議続く 政府は制度改革を検討
イギリスでは現在、難民資格申請者が増えているだけでなく、最初の決定に異議を唱えて再審を請求する人が急増し、未処理案件が山積みとなっている。決定を待つ間、そうした人たちはイギリスの公費で国内各地にホテルに宿泊する。
しかし、英南部エセックス州エッピングのホテルについて、英高等法院は19日、このいわゆる「難民ホテル」の運用に反対する住人や自治体の訴えを認め、9月12日午後までに難民申請者をホテルから退去させるよう内務省に命令した。これが国内で、論争を呼んでいる。
23日には、イングランドのブリストル、リヴァプール、ロンドン、ウェールズのモールド、スコットランドのパース、北アイルランドのアントリム県などで、難民申請者が収容されるホテルの前に抗議グループが集まった。
こうした抗議に対抗するグループも集まったため、各地の警察は衝突を防ぐため、双方のグループが接近しないように対応した。
この日、イギリス各地で少なくとも15人が逮捕された。
抗議は24日にも続き、英中部バーミンガムのホリデー・インの前には抗議者が集まり、ホテルの扉から中をのぞいたり、近くの電柱によじ登り中の様子を見ようとしていた。
ロンドン東部カナリー・ワーフでも、難民申請者が宿泊するホテルの前に約20人の抗議者が集まったため、警察が入り口を警備した。
エッピングのベル・ホテル前での抗議は、同ホテルに宿泊中のエチオピア人男性が7月7日、市内中心部のベンチに座り食事をしていた14歳少女たちに「不適切な発言」などで性的に嫌がらせをし、性的行動を促したなどとして、性的暴行などの罪で逮捕・起訴された事件をきっかけにして起きた。男性は罪状をすべて否認している。男性は6月末にイギリスに入国し、難民資格を申請する間、ベル・ホテルに滞在していた。
こうした中でスターマー政権は、ホテルに滞在する難民資格申請者の数を減らすため、申請制度の抜本的な改革を計画している。
イヴェット・クーパー内相は、保守党政権が残した移民制度は維持できないと批判し、裁判官とは異なる審理担当者が判断する独立機関を新設する方針を示した。
しかしイギリスの難民支援団体からは、どういった独立機関になるのか、どういう訓練を受けた担当者が審理するのかなど、懸念の声も出ている。
BBCのイアン・ワトソン政治編集委員が解説する。









