名門ボリショイ・バレエ団のスター、戦争を批判しオランダに移籍へ

ロシアの名門ボリショイ・バレエ団のプリマバレリーナが、同国のウクライナ侵攻を非難した後に、オランダ国立バレエ団に移籍することになった。移籍先のバレエ団が16日、BBCに明らかにした。

同バレエ団のオルガ・スミルノワさん(30)は先週、「私の魂のすべてで、この戦争に反対する」と表明。ロシアの他のバレリーナたちに支持された。

オランダ国立バレエ団は、スミルノワさんが直ちに同バレエ団で活動を始めるとした。テッド・ブランセン芸術監督は、スミルノワさんについて、「類いまれなダンサー」だと述べた。

スミルノワさんは祖父がウクライナ人で、自らのことを「4分の1はウクライナ人」としている。

「ロシアを恥じるとは思わなかった」

スミルノワさんは3月に入り、「現代の見識ある世界においては、文明社会は平和的な交渉によってのみ政治問題を解決することを期待している」などとする文章を公表。

「ロシアを恥じることになるとは思わなかった。才能あるロシアの人々、私たちの文化、運動面での業績をいつも誇りに思ってきた」、「しかし今や、以前と以後を区別する線が引かれたと感じている。人々が死んでいき、頭上の屋根を失ったり家を後にせざるを得なかったりしているのは痛ましい」とした。

そして、「数週間前、こんなことが起こると誰が予想しただろうか。私たちは軍事紛争のただ中にはいないかもしれないが、この世界的大惨事に無関心ではいられない」と書いていた。

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オランダ国立バレエ団は声明を出し、スミルノワさんの移籍を歓迎。彼女はその言動により、「生まれた国で働くことが不可能になっている」とした。

スミルノワさんの移籍後の初舞台は、4月3日にアムステルダムで初演となる古典バレエ「ライモンダ」の予定。

他のバレリーナらも

スミルノワさんの反戦の文章は、振付家で元ダンサーのアレクセイ・ラトマンスキーさん(53)のコメントに続く格好で公表された。ウクライナで育ったラトマンスキーさんは2月下旬、「プーチンはこの戦争を直ちにやめなくてはならない」と、フェイスブックに投稿していた

ラトマンスキーさんは、ボリショイ・バレエ団の芸術監督を2008年まで4年間つとめた。ロシアがウクライナを侵攻したことを受けて2月、モスクワのボリショイ劇場での初演をキャンセルした。

ラトマンスキーさんはまた、バレエ界の人々による反戦メッセージを投稿してきた。メッセージを出した人たちの中には、マリインスキー・バレエ団のプリンシパルダンサーで、英ロイヤル・バレエ団のゲストプリンシパルのウラジーミル・シクリャローフさん(37)もいる。

その投稿でシクリャローフさんは「私はウクライナでの戦争に反対だ。私は人々を支持する、頭上の平和な空を支持する」とした。

マリインスキー・バレエ団の元プリンシパルダンサーで、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場のソリストをつとめたディアナ・ヴィシニョーワさん(45)は、「私たちは戦争といかなる暴力行為にも反対を表明する。悲しみ、無念、支援の言葉、同情で、私たちの心はいっぱいだ」とした。