仏下院、15歳未満のSNS利用を制限する法案を可決 マクロン大統領「大きな一歩」

ヒュー・スコフィールド・パリ特派員

フランス国民議会(下院)は27日、15歳未満のソーシャルメディアへのアクセスを禁止する法案を可決した。この法案は、エマニュエル・マクロン大統領も支持している。

下院議員らは26日に同法案の主要な要素に合意した後、116対23で法案に賛成した。法案は今後、上院である元老院に送られる。

法律として成立した場合、15歳未満の若者たちは、インスタグラムやTikTok、スナップチャットといったサービスを利用できなくなる。

世界では、子どものSNS利用を制限する動きが高まっている。背景には、こうしたサービスがメンタルヘルス(心の健康)に与える影響についての証拠が増えていることが挙げられる。昨年には同様の法律がオーストラリアで成立し施行された

国民議会が26日から27日にかけての夜間審議で法案を可決した後、マクロン大統領は「大きな一歩」だと述べた。

マクロン氏はソーシャルメディアへの投稿で、政府に対し「この禁止が次の新学期から施行されるよう」、次の手続きを加速するよう求めた。フランスの新学期は9月1日に始まる。

「子どもたちの脳は売り物ではない」とも、マクロン氏は記した。

この法案を主導したロール・ミレール議員は、仏紙ルモンドに、「この法律によって、社会の中に明確な一線を引くことになる」と語った。

また、「私たちは非常に単純なことを示している。ソーシャルネットワークは無害ではない」と述べた。

「これらのネットワークは、人々をつなぐと約束した。しかし、人々を引き離した。情報を届けると約束した。しかし情報で我々を飽和させた。娯楽を提供すると約束した。しかし人々を閉じ込めた」

マクロン氏は昨年12月、「子どもたちのメンタルヘルスや感情の健康を、子どもたちから利益を得ることだけを目的とする人々に委ねるわけにはいかない」と述べていた。

法案によると、国のメディア規制機関が有害と判断されるソーシャルメディア・プラットフォームのリストを作成することになっている。リストに載ったプラットフォームは、15歳未満へのサービスが単純に禁止される。

これとは別に、比較的危険性が低いとされるサービスのリストも作成される。そのリストのソーシャルメディアについては、明示的な保護者の承認がある場合のみ、アクセスが可能になる。

高校での携帯電話の使用も禁止される。この禁止措置は、すでに小学校と中学校で施行されている。

この法案が可決された場合、フランスは年齢確認の仕組みを決める必要がある。インターネット上のポルノにアクセスする際に、18歳以上だという証明を求める制度は、すでに導入されている。

ヨーロッパでは、デンマークやギリシャ、スペイン、アイルランドも、オーストラリアの例にならうことを検討している。イギリスでは政府が今月初め、16歳未満のソーシャルメディア禁止についての意見募集を開始した。

フランスで提案されている法律の基盤となっているのは、昨年末にミレール議員がまとめた文書だ。同議員は、TikTokなどがユーザーの心理面に与える影響について調査した議会委員会を主導していた。

また、この問題を任期最後の年の重点課題にするというマクロン大統領の決断を受け、政府には別途、独自の法案を作成するよう指示が出されていた。

マクロン氏は、2024年に実施した国民議会選挙が「宙づり議会」の状態を招いて以来、内政の舞台から退いている。

そのため、ソーシャルメディアの禁止は、国民の支持を得る数少ない機会となっている。

一時は、マクロン氏と首相経験者のガブリエル・アッタル議員の対立によって、この取り組みが頓挫(とんざ)する危険があった。ミレール氏とアッタル氏は、同じ中道政党「再生」の議員だ。しかし最終的に、政府はミレール氏の法案の下に結束したようだ。

この法案は来月、元老院を通過するとみられている。マクロン氏は、セバスチャン・ルコルニュ首相の政府に対し、9月までに法制化を実現するための迅速審議手続きを用いるよう求めたと述べた。

この手続き制度は、上下両院での審議を、通常の2度ではなく1度で済ませるもの。これをを用いない場合、予算成立の難航によって生じた議会の遅れから、この法案が通過する可能性は低くなるという。

法案はすでに、政府諮問機関である国務院が提起した疑問点に対処するため、再起草が必要とされている。国務院は、法案がフランスおよび欧州連合(EU)の法律に適合しているかを確認する。

フランスでは2023年にも、10代前半の若者のSNS利用を禁止する法律が成立したが、EU法に違反しているとの司法判断を受け、運用不可となっている。