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イーロン・マスク氏、「今年110億ドルを納税する」 批判に反応
ルーシー・フッカー、BBCビジネス記者、ニューヨーク
米電気自動車メーカー「テスラ」の最高経営責任者(CEO)で世界一の大富豪のイーロン・マスク氏が19日、今年の税金として110億ドル(約1兆2500億円)を納めるとツイートした。
マスク氏の納税額はソーシャルメディアで議論の的となっている。
米上院のエリザベス・ウォーレン議員(民主党)は今週、マスク氏について、「他のみんなへのただ乗り」をやめるべきだとツイートした。
これを受けてマスク氏は、「疑問に思っている人のために言うと、私は今年、110億ドル超の税金を払う」とツイッターで応じた。
テスラや宇宙開発企業「スペースX」を創業したマスク氏は今年、世界一の大富豪となった。
米メディアのブルームバーグは、マスク氏の資産を2430億ドルとしている。テスラの価値は1兆ドル、スペースXは1000億ドルとされている。
米誌タイムは先週、「今年の人」にマスク氏を選出した。
それを受けてウォーレン上院議員は、「『今年の人』が実際に税金を払い、他のみんなへのただ乗りをやめるよう、不正操作された税法を変えよう」とツイートした。
ジョー・バイデン大統領は、超富裕層への増税を実施したい方針だ。ただ、そのための法案審議は議会で進んでいない。
ウォーレン氏ら上院議員の一部は、富裕層の所得だけでなく、保有株式などの資産の価値上昇分にも課税する案を支持している。
アメリカの富裕層の多くは、直接の課税対象となる給与は受け取っていない。株式など投資のかたちで資産を保ち、それらを担保に借入をする。
マスク氏はウォーレン氏のツイートに応え、「今年、米史上の誰よりも多くの税金」を払うとした。
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莫大な課税所得
米コロンビア大学教授で税金の専門家のロバート・ウィレンズ氏は、マスク氏のコメントについて、妥当なものだろうと評した。マスク氏は昨年、期限切れが迫ったストックオプションを行使して、「がく然とするような課税所得」を得ていた。
ストックオプションとは、株式を将来、あらかじめ決められた価格で取得できる権利のこと。
テスラの株価は現在、マスク氏が最初にストックオプションを得た時と比べ、大幅に上昇している。そのため、ストックオプションを行使して得る資産はものすごい額となるとともに、課税所得とみなされるだろうと、ウィレンズ氏は説明した。
「(マスク氏は)恐らく、2021年にできるだけ多くの課税所得を作り出すのが賢明だと思っただろう。2022年には税率が上がるのではないかと見越しての判断だ」
仮に議会でもっと急進的な法案が通っていたら、マスク氏に対する課税に大きな影響を与えていただろうと、ウィレンズ氏は付け加えた。
所得税かからないテキサス州に
マスク氏が来年納税する相当部分は、連邦政府の税務当局に入ることになる。ただ、テスラやマスク氏が最近まで本拠地としていたカリフォルニア州も、分け前を求めるだろう。
テスラは今月、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で、本社をテキサス州に移すと明らかにした。マスク氏が数カ月前から、メディアとのインタビューで示唆していた計画だ。マスク氏はカリフォルニア州法に対する不満を述べ、シリコン・ヴァレーの生活費の高さを批判していた。
テキサス州の税法は比較的緩やかで、カリフォルニア州と異なり所得税を徴収しない。シンクタンク「タックス・ファウンデーション」によると、カリフォルニア州の所得税率は、すべての州の中で最も高い。
マスク氏はここ数週間で、テスラ株を140億ドル近く売却した。納税資金を作る目的もあるだろうと、ウィレンズ氏はみている。
マスク氏の場合、飛び交う数字は桁違いだが、それでも期限切れが近づいたストックオプションへの対処法としては、企業の重役にとって一般的なものだと、ウィレンズ氏は付け加えた。