イギリスの新型コロナウイルス感染者、1週間で6割超増加=統計局

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イギリスの国家統計局(ONS)は4日、新型コロナウイルスの新規感染者が前週に比べて3分の2ほど増加していると発表した。
5月29日までの週に新たに感染した人の推計は約10万人と、前週の6万人から大きく増加。これは、全人口の660人に1人が感染した計算になる。
一方、政府が発表している最新統計では、1日当たりの感染者は6278人となった。また、現在入院している人は954人、死者は11人に上った。
感染者についてはONSの示した増加と一致しているが、死者数と入院患者数は先週よりもやや減っているという。
イギリスでは、インドで特定された変異株(世界保健機関による名称は「デルタ株」)の流行地域で検査を拡大しており、これが政府データの感染増加を実際よりも大きく見せている可能性があるという。
しかしONSのデータは検査を受ける人の数に左右されないため、純粋な増加を示している。それによると、イングランドとウェールズでは検査で陽性となった人が1週間でほぼ2倍に増えた。
一方、スコットランドと北アイルランドの状況は明確ではないが、スコットランドではこのところ、感染者数が劇的に増えている。
5月末時点でのイギリス各地の感染状況は以下の通り。
- イングランド:640人に1人の割合、前週は1120人に1人だった
- ウェールズ:1050人に1人、前週は3850人に1人
- 北アイルランド:800人に1人、前週は820人に1人
- スコットランド:680人に1人、前週は630人に1人
デルタ株が優勢に
ONSは、ウイルス追跡に使う検体の遺伝子は検査しないものの、採取した検体の多くはデルタ株のようだと説明している。
ONSによる検体検査では、新型コロナウイルスの3種類の遺伝子の有無を調べる。そのうちの1つは、英ケントで特定され、世界保健機関(WHO)が「アルファ株」と命名した変異株の系統では検出されない。
イギリス国内では昨年末以来「アルファ株」が主流だったが、ONSによると最近では、「アルファ株」には含まれないはずの遺伝子が検出されるケースが増えている。
このため、国内で感染が広がっているのはデルタ株だと推定されるという(南アフリカのベータ株、ブラジルのガンマ株だという可能性もある)。
今月3日には、イギリスでデルタ株が優勢になったとする遺伝子検査が発表されており、ONSの推測はこの結果とも一致する。先週行われた分析によると、新規感染の79%がデルタ株だという。
「結論には時期尚早」
マット・ハンコック保健相は、デルタ株が「入院リスクに影響するかどうか、はっきりとした結論はまだ出ていない」と話した。
その一方で、「家族を守るともに、世界中が確実にワクチンを接種するため自分の役割を果たすことが」大事だと述べた。
英イーストアングリア大学のポール・ハンター医学教授も、「現在得られている情報では、デルタ株が入院が必要なほどの重症化を引き起こすかどうか、結論を出すのは時期尚早だ」と語った。
「今分かっていることから言えるのは、ワクチンを1回、できれば2回接種することで、アルファ株にもデルタ株にも感染しにくくなること、もし感染しても入院する可能性は低くなるということだ」
感染者1人が次に何人に感染させるかを示す実効再生産数「R」は現在、イングランドでは1~1.2となっている。スコットランドでは、1.1~1.3と推定されている。










