オカシオ=コルテス米下院議員、自身の性暴力被害に言及 「トラウマはつながる」

アメリカ民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(31)は1日夜、インスタグラムの配信で、過去に性暴力の被害を受けたと明かした。

オカシオ=コルテス議員は配信で、今年1月の議事堂襲撃事件の際、侵入して来た暴徒から身を隠し、トラウマ(心的外傷)を受けたと説明。

共和党側について、トラウマから「先へ進もう」と議員らに呼びかけるなど、「加害者の戦術」を取っていると批判した。

そうした流れの中で、「私は性暴力のサバイバー(被害を生き延びた人)です」、「今までそう多くの人に話したことはありませんでした」と、涙をこらえながら述べた。

性暴力被害の詳細については語らなかったものの、「トラウマを経験すると、トラウマの相互作用で悪化していく」と語った。

この配信は約15万人が視聴した。

オカシオ=コルテス氏は2018年の中間選挙でニューヨーク州の選挙区で当選して以来、民主党の注目議員の一人となっている。一方で、自らを民主社会主義者と話す同氏は、保守層の非難の標的にされ、ドナルド・トランプ前大統領からもたびたび批判されてきた。

共和党議員を糾弾

1日の配信でオカシオ=コルテス議員は、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)ら共和党議員を、5人の死者が出た議事堂襲撃事件の責任から逃れていると批判。クルーズ議員をめぐっては先週、オカシオ=コルテス議員に政策面で賛意を示した際、同議員が、「3週間前に私が殺されかけた原因を作ったんだから、ここには加わらないでほしい」と反発していた。

また、クルーズ議員に謝罪するよう求めてきたチップ・ロイ下院議員(テキサス州)についても、強く批判した。

「こういうのは加害者の戦術、あるいは、加害者が使う戦術です」

「こういったことを目にした時、私は『繰り返してはいけない』と思います。私はこれを繰り返させない、自分を同じ目にあわせない、こういった状況の被害者になった人たちを同じ目にあわせない」

「先へ進もう」

トランプ氏支持者は1月6日、選挙人投票の結果を認定していた連邦議会を襲撃した。オカシオ=コルテス議員は配信の中でこの日について、「ゾンビ映画のようだった」と振り返った。

「責任の所在を明らかにしないと前に進めないし、いやされることもない。私たちに『先へ進もう』という人たちは、自分達に都合がいいからそう言っているんです」

「『次に行くべきだ、説明責任はない』と言う人たちは『忘れてくれればまたできるんだけど?』と言っているのと同じです」

オカシオ=コルテス議員は、襲撃時に議事堂内のオフィスの洗面所に隠れていたと話し、「死ぬんだと思いました」と語った。

議員が洗面所の扉の後ろに隠れていると、白人男性がオフィスに入ってきて「彼女はどこだ?」と叫んだという。

その男性は議会警官だったものの、「怒りと敵意」の目を議員に向け、身分証を提示しなかった。

この警官が「私たちを助けてくれようとしたのか、傷つけようとしていたのか」分からなかったとオカシオ=コルテス議員は述べた。

その上でオカシオ=コルテス議員は、「自分の経験したことについてそんなことはないとか、うそだとか繰り返し言ってくる人たち」がいると非難した。

「それによって、つらい経験を再び経験するというトラウマに直面します」

「さらに、自分を信じてくれない人、公の場で中傷してくる人、辱めようとしてくる人たちによるトラウマがあります」

「それからトラウマは内面化します。自分にそれが起きたと、認めたくないことがほとんどだから」

オカシオ=コルテス議員はまた、議事堂襲撃事件と直接的な関係のない自分の性暴力被害を告白することで、批判を受けることを予測していると語った。

「『自分ごとにしようとしている』と言われるでしょう」と同議員は発言。それでもトラウマは互いに交わり、影響しあうものだと説明した。

同議員によると、連邦議会は襲撃当日に現場にいた議員などにカウンセリングを提供している。

オカシオ=コルテス議員とは

オカシオ=コルテス議員は、2018年の中間選挙で当選した若手の女性民主党議員の一人。民主党はこの年、大きく議席を伸ばして下院を奪還した。

ドナルド・トランプ前大統領は2019年、オカシオ=コルテス議員を含む4人の女性下院議員に「もといた国に帰れ」と発言し、大きな批判を浴びた

いずれも非白人の女性議員4人は、これに記者会見で抗議。その後、オカシオ=コルテス議員は保守派メディアや共和党の格好の標的となった。

昨年7月には、共和党議員が議事堂でのやりとりで性差別的な言葉をオカシオ=コルテス議員に投げかけ、同議員が激しく批判する一幕もあった。

議事堂襲撃事件の際には、「AOC(オカシオ=コルテス議員の略称)を暗殺しろ」とツイッターに投稿があった。このツイートをしたテキサス州出身のギャレット・ミラー容疑者は先週、謝罪した。

「オカシオ=コルテス議員や議会警察官を傷つける意図は一切なかったが、ソーシャルメディアへの投稿は完全に不適切だったと認める」と、4件の連邦法違反に問われている同容疑者は述べた。