「自分を強姦した夫」を殺した罪で女性に死刑宣告 スーダン

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スーダンの裁判所は10日、夫を殺した19歳の女性に死刑を宣告した。殺された夫は、親類の男性にこの女性を押さえつけさせて、強姦した疑惑が持たれている。
スーダン中部オムドゥルマンの裁判官は、殺された夫の家族が損害賠償金の受け取りを拒否したため、ノウラ・フセイン被告に死刑を言い渡したと確認した。
人権団体はフセイン被告の有罪判決を取り消すよう求めている。
現在19歳のフセイン被告は、16歳の時に強制的に結婚させられ、その後も結婚生活から逃げだそうとした。
被告は教育課程を修了し、教師になる訓練を受けたいと望んでいるという。
フセイン被告をめぐる出来事は、ツイッター上で「#JusticeforNoura(ノウラに正義を)」運動が広まるなど、ソーシャルメディア上で広く関心を呼んでいる。
作家のヤスミン・アブデル=マジード氏はツイッターに、「『#JusticeforNoura』運動に関する記事を書いた。ムスリム(イスラム教徒)女性が世界中あらゆるところで自分の権利のために戦っている今、この出来事は私たちの信仰のせいだということにしたがる全員に向けて、書いた記事だ」と投稿し、英ガーディアン紙への寄稿記事を紹介している。
殺人の経緯
フセイン被告は結婚生活から逃れ、おばの家に避難していた。しか逃亡から3年後、自分の家族にだまされて家に戻された。家族はその後、彼女を夫に送り返したという。
夫の元へ送り返されてから6日後、夫はいとこの何人かを雇った。このいとこたちは夫が強姦する間、フセイン被告を押さえつけていた疑いがもたれている。
夫が翌日も前日と同じように被告を強姦しようとしたため、被告はナイフで激しく襲いかかり、夫を刺し殺したとされる。
被告がその後、両親の元へ駆け戻ると、両親は娘を警察に引き渡した。
ロイター通信によるとシャリーア(イスラム教の宗教法)裁判所は先月、フセイン被告を計画殺人で有罪と判断し、今月10日に絞首刑を言い渡した。被告の弁護士には15日間の上訴期間が与えられる。
「シャリーア法の下では、夫の家族は損害賠償金か死を要求することができる」と、裁判を傍聴したアフリカ・ユース・ムーブメントの活動家、バドル・エルディン・サラー氏はロイター通信に語った。
「遺族は死を選んだ。そして今、死刑が言い渡された」
人権団体の主張
有罪判決の取り消しを求めている人権団体の1つ「Equality Now」のヤスミーン・ハッサン氏はBBCニュースに対し、判決は意外ではなかったと語った。
ハッサン氏によると、「スーダンは極めて父権的な場所で、男女の扱いの違いは厳然としている」という。
「ここは少女が10歳で結婚を許される場所で、男性が女性を法的に後見する立場にある。女性は、社会が決める道を決して外れてはならないと、しつけられる」
「ノウラさんの名誉のために言うと、彼女は元気で、教育を受けたいと願っている少女だ。世界のためになりたいと思っている。自分の境遇に追い詰められて、この国の父権的な仕組みに苦しめられている」
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、「自分を強姦する夫を自己防衛で殺した」女性が死刑を宣告されたことは、「児童婚、強制婚や家庭内強姦に、当局が対応していない状況」を浮き彫りにしたと批判した。
アムネスティのセイフ・マガンゴ氏は、「ノウラ・フセインは被害者で、判決は容認できない残忍な行為だ」、「スーダン政府は、この極めて不公正な判決を取り消し、情状酌量に値する状況を考慮に入れた公正な再審を、ノウラが受けられるようにしなくてはならない」と述べた。









