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英元閣僚ブラヴァマン氏がリフォームUKに移籍、保守党の「裏切り」を非難
ポール・セッドン政治記者、ケイト・ワンネル政治記者
英保守党政権で内相を務めたスエラ・ブラヴァマン下院議員が26日、野党リフォームUKに移籍した。現在は最大野党となった保守党の「裏切り」を同議員は非難した。
英政界ではこのところ、現職の保守党下院議員が相次いで、ナイジェル・ファラージ党首率いるリフォームUKに合流している。ブラヴァマン氏の前には、ロバート・ジェンリック議員やアンドリュー・ロージンデル議員が移籍しており、これでリフォームUKの下院議員は8人に増えた。
記者会見でブラヴァマン氏は、「過去2年の大半で政治的に居場所がないと感じていた」と述べ、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)や移民政策といった分野で保守党の政策と相違点があったとした。
一方、保守党の報道官は、「スエラが離党するのは『もし』ではなく『いつ』という問題だった」と述べた。また、「地域社会を気にかけ、より良い国を実現したいから議員になる人もいれば、個人的な野心のために議員になる人もいる」と述べた。
保守党が当初発表した声明には、「保守党はスエラのメンタルヘルス(こころの健康)に配慮するためにできる限りのことを行ったが、彼女は明らかに非常に不満を抱いていた」と記されていた。
しかし、その後発表された修正版の声明では、この一文は削除されていた。元の文言については「誤って送信された草案だった」と説明している。
ブラヴァマン氏は、保守党が自分のメンタルヘルスに触れたのは「少し情けない」と述べ、「悲痛かつ切羽詰まった政党が急降下していると思われることをさらに示すものだ」と語った。
元保守党下院議員のサー・ジェイコブ・リース=モグは、メンタルヘルスに関する記述を承認した人物を解任すべきだと述べた。
サー・ジェイコブはBBCの報道番組「ニューズナイト」で、これは「恐ろしく、弁解の余地のない発言だ」と述べた。
「前線にいた人物の経験が必要」とファラージ氏
いつ保守党を離れる決断をしたのかという質問に対し、ブラヴァマン氏はその過程を「離婚」に例えた。
「徐々に信頼が失われ、関係性が崩壊し、もしそう呼べるなら愛情さえも失われていく」
ブラヴァマン氏は、保守党がブレグジットで失敗し、「制御不能の移民政策」と高い税負担を招いたと非難した。
また、「右派を追い出すための集中的な取り組み、魔女狩り」のようなものもあったとし、それが「ここ数日で最後の一押し」になったと述べた。
そのうえで、自身の選挙区であるフェアラムおよびウォータールーヴィルの保守党活動家は「動揺し、落胆する」だろうと認めつつも、それらの人々にリフォームUKに合流するよう呼びかけた。
リフォームUKが元保守党議員を多く受け入れているとの指摘について、同党のファラージ党首は、「前線にいた人物の経験が必要だ。そこがわれわれに最も欠けている資源だ」と述べた。
保守党政権下で右派の主要人物だったブラヴァマン氏をめぐっては、長らくリフォームUKへの移籍が予想されていた。
しかしその発表は、ロンドンで開かれたリフォームUKの退役軍人向け党組織の立ち上げイベントで、ファラージ氏が突然行ったもので、意表を突くものだった。
2015年から下院議員を務めるブラヴァマン氏は、ボリス・ジョンソン政権で法務長官を務めた後、2022年9月にリズ・トラス政権で内相に就任した。
その後、政府資料を本来受け取る権限のない人物に送ったことが議員の倫理規定違反とされ、10月19日に辞任。しかしその6日後には、新首相となったスーナク氏によって、再び内相に任命された。
スーナク氏は翌年11月、ブラヴァマン氏がロンドンでのパレスチナ支持デモの警備対応において、警察が偏向していると非難する記事を英紙タイムズに寄稿したことを受け、同氏を解任した。
ファラージ氏は、ブラヴァマン氏とは移籍の可能性について「1年以上」話し合ってきたと説明。ブラヴァマン氏が「イギリス政治の中道右派は、リフォームUKの下で結集する必要があるという見解に達した」と語った。
一方、ブラヴァマン氏の内相としての実績については「全く役に立たなかった」と述べた。
「彼ら全員が完全に役に立たなかった。なぜなら、欧州人権条約(ECHR)に縛られていたからだ」
「政府は失敗だったが、彼女は今、自ら手を挙げて『われわれは間違っていた』と言う覚悟がある」
ECHRについては、一部の英政治家が、不法移民の送還を困難にしていると非難してきた。
労働党政権は、この条約の解釈をめぐり交渉を進めている。
ブラヴァマン氏は、保守党が同条約から完全に離脱するという公約は「うそだった」と述べた。
他の移籍議員や与野党の反応は
2024年7月の総選挙以降、現職の下院議員4人に加え、ナディム・ザハウィ氏、ナディーン・ドリス氏、ジェイク・ベリー氏など、約20人の元保守党下院議員がリフォームUKに合流している。
その一人であるヘンリー・スミス氏は、ブラヴァマン氏は「前(スーナク)政権を保守党的な方向へ導こうとした」が、「その歩みを大きく妨げられた」と述べた。
BBCラジオ5ライブに出演したスミス氏は、保守党指導部は「右寄りの姿勢を示しているように見える」ものの、多くの保守党議員は「率直に言って、(野党)自由民主党により近い立場の方が居心地が良い」と語った。
一方、同じ番組に出演した保守党のバーナード・ジェンキン下院議員は、「スエラやロブ・ジェンリック氏のような人々は、ケミ(・ベイドノック保守党党首)がこれらすべての課題に取り組み、支持率を回復し始めているまさにその時期に、保守党を離れている」と述べた。
「ケミがうまくやっているからこそ、彼らは離党しているのかもしれない」とも、同議員は語った。
労働党のアンナ・ターリー幹事長は、「ナイジェル・ファラージは自身の政党を、過去14年間にわたってイギリスの停滞と混乱を招いた責任を負うべき、失敗した保守党関係者で満たしている」と述べた。
自由民主党のデイジー・クーパー副党首は、「ファラージ氏は、選択的な記憶喪失を抱える保守党の閣僚経験者を、また1人招き入れた。壊れたイギリスについて不満を述べながら、自身がその破壊に加担したことを都合よく忘れている人物だ」と述べた。