スペイン、16歳未満のSNS利用を禁止する方針表明 フランスではXの事務所に捜索

壇上で演説するスーツ姿のサンチェス首相。写真にはプロンプターと白い演壇、マイクが写っている

画像提供, EPA/Shutterstock

画像説明, スペインのペドロ・サンチェス首相
この記事は約 1 分で読めます

スペイン政府は3日、16歳未満の子どもによるソーシャルメディアの利用を禁止する計画を発表した。ペドロ・サンチェス首相は、「デジタルの無法地帯から子どもたちを守る」と述べた。

この禁止措置は、政府による一連の改革の一部。まだ議会の承認を要するものの、プラットフォーム上の「違法または有害なコンテンツ」に対して、運営企業の幹部に責任を負わせる仕組みを導入することなどが含まれている。

世界では、子どものSNS利用を制限する動きが高まっている。オーストラリアは昨年、この種の禁止措置を世界で初めて導入し、各国がその動向と成功を注視している。

これまでにフランスやデンマーク、オーストリアが、それぞれ独自の年齢制限を検討していると発表している。イギリス政府も、16歳未満を対象とする禁止措置を導入すべきかどうかの協議を開始した。

一方、ソーシャルメディア各社は、こうした禁止措置は実効性に乏しく、導入が難しく、弱い立場にある10代の若者を孤立させるおそれがあると主張している。掲示板サイト「レディット」はすでに、オーストラリアの禁止措置に対し、裁判所に異議を申し立てている。

今回の発表を受け、Xを所有する米実業家イーロン・マスク氏は、サンチェス氏は「専制君主で、スペインの人々への裏切り者」だと述べた。

BBCは、フェイスブックとインスタグラムを運営する米メタや、TikTok、スナップチャット、YouTube、レディット、ディスコードといった各社にコメントを求めている。

「コードの陰に隠れる」のは許されない

サンチェス氏は、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれた会議の席で、「我々の子供たちは現在、本来自分だけで進むことを想定されていなかった空間にさらされている」と発言。ソーシャルメディアは「依存、虐待、ポルノ、操作、暴力」の場だと説明した。

「我々はもうそれを容認しない。子供たちを守るつもりだ」

サンチェス氏は昨年11月に初めて禁止の可能性を示唆していたが、今回、その計画が具体化した。

改正後の制度では、ソーシャルメディア各社に対し、「単なるチェック欄ではなく、実際に機能する本物の障壁」を伴う、有効な年齢確認システムを備えることを求めるという。オーストラリアでは、子どもたちが年齢確認を回避するために大人の写真を使うなどの抜け穴を利用しており、この発言はこのことへの言及とみられる。

新法ではまた、違法コンテンツを拡散するようアルゴリズムを操作する行為を犯罪化する。

「これは、特定の行為者が作り、促進し、拡散しているものだ。我々はそうした行為者と、利益のために偽情報を増幅するアルゴリズムを持つプラットフォームの双方を調査する」と、サンチェス氏は述べた。

「コードの陰に隠れ、技術は中立だと主張することは、もはや許されない」

さらに「デジタルプラットフォームがいかに分断を助長し、憎悪を増幅するか」を追跡するための新たな制度も設ける予定だとしたが、詳細は明らかにしなかった。

サンチェス氏は、来週にも新法を成立させたい意向を示したが、左派連立政権が議会で過半数議席を欠くため、困難になる可能性があると述べた。

Grokへの懸念高まる、フランスでは家宅捜索

サンチェス氏はまた、「GrokやTikTok、インスタグラムが犯した犯罪を操作し、訴追する」ための法案も盛り込まれると述べた。Grokは、Xに組み込まれている生成人工知能(AI)ツール。

Grokをめぐっては、性的な画像の作成に使われたとの懸念から、欧州委員会とイギリスの個人情報保護監督機関(ICO)が、それぞれXに対する調査を開始した。

仏パリ検察庁のサイバー犯罪部門は3日、違法なデータ抽出や児童ポルノ所持への共犯などの容疑に関する捜査の一環として、 X のパリの事務所を家宅捜索した。

検察庁はまた、マスク氏と X の元最高経営責任者リンダ・ヤッカリーノ氏を、4 月の公聴会に出席するよう召喚したと発表した。

Xは、いずれの調査にも反応していない。BBCは同社にコメントを求めている。同社は先に、フランスでの捜査は言論の自由への攻撃だと主張していた。

マスク氏はXへの投稿で、この捜索を「政治的攻撃」だと述べた。