トランプ氏、停戦案に合意するよう「最終警告」 ハマスは協議中と

パレスチナのイスラム組織ハマスは7日、ガザ地区での停戦の合意について、アメリカから「いくつかの案」を仲介役を通じて受け取ったと明らかにした。これに先立ち、アメリカのドナルド・トランプ大統領は同日、ハマスに対し、合意に応じるよう「最終警告」を発した。

ハマスは7日夜に出した声明で、「停戦合意に向けたアメリカ側からのいくつかの案を仲介役を通じて受け取った」と発表。この動きを歓迎するとした。

そして、「こうした案を、我々の民のニーズを満たす包括的な合意へと発展させるため、仲介役と常に連絡を取っている」と付け加えた。

ハマスはまた、「戦争終結の明確な宣言、ガザからの完全撤退、ガザを管理するパレスチナ人による独立委員会の設立」と引き換えに、2023年10月7日のイスラエル攻撃で人質に取り、今もガザに残る48人全員について、解放への交渉を直ちに進める用意があるとした。

パレスチナ当局者がBBCに説明した内容によると、アメリカ案では、60日間の停戦の最初の48時間で人質全員を解放する。それと引き換えに、イスラエルで収監されているパレスチナ人も解放し、恒久停戦に関して誠実に交渉を行う。この交渉については、トランプ氏自らが保証するとしているという。

アメリカの案ではまた、停戦後の最初の2週間で、ハマスの武装解除や、ガザにおける独立した統治組織や行政委員会の設立、イスラエル軍の撤退に関する取り決めなど、重要な問題の交渉を行う。人道支援もガザに届けられることになっているという。

米大統領は受け入れ要求、イスラエルは合意の用意あると

こうした動きに先立ち、トランプ氏は7日、ハマスに対し、合意に応じるよう「最終警告」を発した。トランプ氏は、イスラエルが自分の条件を受け入れたと述べたが、詳しい説明はしなかった。

トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「誰もが人質の帰還を望んでいる。誰もがこの戦争の終結を望んでいる! イスラエルは私の条件を受け入れた。ハマスも受け入れるべき時だ」と書いた。

また、「ハマスには、受け入れない場合の結果について警告してきた。これが私の最終警告だ、これ以上はもうない!」とした。

一方、イスラエルのギデオン・サール外相は8日、ハマスと戦争終結で合意する用意があると述べた。合意によって、すべての人質が解放され、ハマスの武装解除が実施されるとした。残る人質のうち、生存者は20人とされている。

サール氏は、訪問先のハンガリー・ブダペストで記者会見し、「トランプ大統領が昨日、はっきりと言ったとおり、イスラエルは彼の案にイエスと伝えた。私たちは閣議決定に基づいて、戦争を終結させる完全な合意を受け入れる用意がある」と表明。

「それには二つのことが実現しなくてはならない。一つは人質の返還だ。(中略)(もう一つは)ハマスが武器を手放すことだ」と述べた。

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は同日、ハマスに対し、「人質を解放し、武器を置け。さもなければ、ガザは破壊され、お前たちは全滅する」と警告した。

ガザ市で攻勢強める

イスラエル軍は現在、ガザ市の制圧に向けて攻勢を強めている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、飢饉(ききん)に苦しむ約100万人の市民らに、直ちに避難するよう警告している。

ネタニヤフ氏はビデオ声明で、「この2日間でテロリストの高層ビルを50棟倒したが、これはガザ市での地上作戦の始まりに過ぎない」、「ガザ市の住民に告げる。皆さんにはすでに警告している。そこから出ろ」と述べた。

ガザの複数の病院によると、イスラエルの攻撃のためガザ全域で8日、少なくとも40人が殺害された。うち25人はガザ市など北部で殺されたという。

イスラエル軍は、ガザ北部の戦闘で兵士4人が殺されたと発表した。

こうしたなか、国連のトム・フレッチャー国連事務次長(人道問題担当)は、世界的な食料安全保障の専門家によって先月確認されたガザ市での飢饉(ききん)が、今月末までにガザ中部デイル・アル・バラフや南部ハンユニスへと拡大するのを防ぐことが、どんどん難しくなっていると警告した。

事務次長はその上で、人道支援物資が大規模かつ妨害されない状態で搬入されることや、民間人の保護、停戦、人質の解放が必要だと訴えた。

ハマスは2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取った。これを受けてイスラエルはガザで軍事作戦を開始。ハマスが運営するガザ保健当局によると、これまでに少なくとも6万4522人のパレスチナ人が殺害されている。

同省によると、この戦争が始まって以降、ガザで栄養不良や飢えで死んだ人は393人に上っている。うち6人は過去24時間で死亡したという。