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トランプ氏、アフガニスタンでの英兵らを「最も偉大な戦士の一部」とたたえる
アメリカのドナルド・トランプ大統領は24日、アフガニスタンで戦った英兵士らを称賛した。トランプ氏はこの2日前、北大西洋条約機構(NATO)の部隊について、アフガニスタンで前線を避けていたと主張し、退役軍人や政治家らから批判を招いていた。
トランプ氏は、22日の米FOXニュースのインタビューで、アフガニスタンでの戦争におけるNATO部隊の役割を軽視する発言をした。さらに、「私たちが(NATOを)必要とすることがあったとして」、NATOがアメリカを助けてくれるのかは疑わしいと話し、アメリカの同盟国の怒りと非難を買った。
トランプ氏の発言を「侮辱的で、率直に言ってひどい」と批判したイギリスのキア・スターマー首相は24日、トランプ氏と電話で話した。
首相官邸の報道官は、「首相は、アフガニスタンで肩を並べて戦い、二度と家に戻らなかった人も多かった、勇敢で英雄的な英米の兵士らをの話を取り上げた。彼らの犠牲を私たちは決して忘れてはならない」と述べた。
この対話から間もなく、トランプ氏は自らのソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に新たな投稿をした。22日の批判的な発言を修正するような内容だったが、直接的な謝罪はしなかった。
この投稿でトランプ氏は、「イギリスの偉大で非常に勇敢な兵士らは、常にアメリカと共にある」、「アフガニスタンでは457人が死亡し、多くが重傷を負った。それらの人たちは、最も偉大な戦士たちの一部だ」と書いた。
そして、「この絆は非常に強く、決して壊れることはない。英軍はとてつもない心と魂を持つ、比類ない存在だ(アメリカは除く)。私たちはみんなを愛しており、これからもずっとそうだ!」とした。
これを受け、英最大野党・保守党のケミ・ベイドノック党首は、アフガニスタンでアメリカやNATO同盟国と共に戦ったイギリスの役割をトランプ氏が認めたことを喜んでいるとコメント。一方で、「そもそも疑問視されるべきではなかった」とした。
トランプ氏の22日の発言に対しては、イギリス以外のNATO加盟国からも批判の声が噴出していた。
だが、トランプ氏の今回の新たなコメントは、アフガニスタンに部隊を派遣した他のNATO同盟国には一切触れていない。
イタリア首相も批判
トランプ氏は大統領2期目に入ってからNATO批判を繰り返しており、他の加盟国を防衛支出が不十分だと非難してきた。
ここ数週間は、NATO加盟国デンマークの自治領グリーンランドを領有したい意向をたびたび表明。軍事行動や関税をちらつかせ、加盟国との関係を揺るがしてきた。
トランプ氏は22日のインタビューで、「(NATOは)アフガニスタンに部隊をいくらか送ったと言うだろう。(中略)確かに送ったが、少し下がったところにとどまっていた。前線から少し離れたところにだ」などと述べた。
この発言は、アフガニスタンで従軍したイギリス軍兵士の家族や退役軍人、議会議員、そして各国から大きな反発を呼び、トランプ氏に謝罪を求める声も出た。
英王室のサセックス公爵ハリー王子も、兵士らの犠牲には敬意が払われる必要があると主張。NATOの集団安全保障条項が発動されたのは、2001年9月11日の米同時多発攻撃の後の一度だけだと指摘した。
アメリカは、同攻撃の翌月の2001年10月、武装勢力タリバンの追放を掲げて、アフガニスタンに侵攻した。アメリカはタリバンについて、同攻撃に関わった武装組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者らをかくまっていると主張した。NATO諸国はこの米主導の戦争で、兵力と軍備を提供した。
アメリカが撤退した2021年時点で、同国中心の連合軍側の兵士の死者は3500人を超えた。うち約3分の2の2461人は米軍人だったが、英軍人の死者もそれに次いで多い457人に上った。
トランプ氏のNATO批判の発言に対しては、イギリス以外の国からも非難が噴出した。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相はXに、トランプ氏の発言を耳にして「驚いた」と投稿。「私たちの国は議論の余地のない犠牲を払った。イタリア兵の53人が死亡し、700人以上が負傷した」と書いた。
そして、「それゆえ、アフガニスタンでのNATO諸国の貢献を軽視する発言は容認できない。同盟国からのものはなおさらだ」とした。
ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は、「私たちの兵士の軍務をあざける権利は誰にもない」と反発した。同外相はアフガニスタンの前線で従軍したポーランド兵3万3千人の1人。
カナダのデイヴィッド・J・マクギンティ国防相も、同国の「兵士らは最初から現地に展開した。義務からではなく、正しいことだったからだ」と主張。カナダ兵158人はアフガニスタン・カンダハル州で連合軍の作戦を主導し、「究極の犠牲を払った」と述べた。