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アンドリュー英王子やクリントン元米大統領の名前も、エプスティーン被告の関連文書公開
マックス・マッツァ、バーンド・デブスマン・ジュニアBBCニュース
性的人身取引で起訴され、米ニューヨークの拘置所内で自殺した米富豪ジェフリー・エプスティーン被告に関連する裁判資料が、3日と4日に公開された。文書には同被告と親交のあった英王室のアンドリュー王子や、ビル・クリントン元米大統領らの名前が含まれる。
今回公開されたのは、エプスティーン被告の元恋人で、同被告による少女への性的虐待に手を貸したとして禁錮20年を言い渡されたギレイン・マックスウェル受刑者の裁判記録の一部。米ニューヨーク州連邦地裁の指示で、3日には900ページ、4日には300ページが公開された。
文書にはこれまでのところ、エプスティーン被告に関する新たな疑惑や、共謀者に関する暴露は含まれていない。
アンドリュー王子は2001年に当時17歳の女性に性的暴行をしたとして、この女性からアメリカで訴えられたが、両者は2022年に「大枠で和解」した。
文書にはアンドリュー王子に胸を触られたとする別の女性の主張が含まれるが、王子はこれを否定している。
文書には 2009年に急死した米歌手マイケル・ジャクソン氏や米マジシャンのディヴィッド・カッパーフィールド氏らの名前も記載されているが、不正行為をした疑いは浮上していない。
多くの文書に名前があがっているクリントン元大統領は、エプスティーン被告とかつてつながりがあったことは認めているが、同被告の犯罪行為については何も知らなかったと強調している。
注目を集めている裁判資料について、ニューヨーク州連邦地裁のロレッタ・プレスカ判事は資料に名前が出てくる人物の多くはすでに、メディアやマックスウェル受刑者の刑事裁判で特定されているとの認識を示した。
プレスカ判事によると、名前が出てくる大勢は文書公開に反対しなかった。ただ、性的虐待の被害者の特定につながる一部の名前は、伏せるよう命じた。
リストには、100人以上の名前が記載されている。このうちの一部は、ほかの個人に関する疑惑に触れていたり、証人となる可能性がある。今後数日で追加の文書が公開されるとみられる。
エプスティーン被告は、2009年に未成年を売春に勧誘した罪を認めていた。2019年にニューヨークの拘置所で自殺した。
アンドリュー王子に胸を触られたとの主張
公開されたファイルには、2001年に米マンハッタンにあるエプスティーン被告のアパートで、ソファーに座っていた際にアンドリュー王子に胸をさられたと主張する、ヨハンナ・ショバーグ氏の証言も含まれる。
英王室の公務管理や広報対応を担当するバッキンガム宮殿はこれまで、ショバーグ氏が主張する出来事は「断じて事実ではない」と繰り返していた。
今回の文書公開についてバッキンガム宮殿は、英王室の公務から退いているヨーク公アンドリュー王子に代わりコメントする立場に、もはやないとして、文書についてコメントを拒否した。BBCはアンドリュー王子にコメントを求めている。
すでに報じられている宣誓供述書によると、ショバーグ氏は、同様にアンドリュー王子を告発したヴァージニア・ジュフリー氏と「アンドリュー王子」と書かれたパペット人形と一緒に写真を撮る際に、アンドリュー王子が自分の胸に触れてきたと主張している。
2022年にアンドリュー王子は、17歳のときに性的虐待を受けたとして民事訴訟を起こしたジュフリー氏と和解し、数百万ドルを支払った。
アンドリュー王子はジュフリー氏とは1度も会ったことがないとし、この疑惑を否定していた。
ビル・クリントン氏、エプスティーン被告の自家用機に搭乗
ビル・クリントン元米大統領の名前も裁判資料に含まれるが、何かしらの違法性を示唆する記載はない。コメントを求められたクリントン氏の代理人は、同氏が2019年に発表した声明に触れ、エプスティーン被告の犯罪についてクリントン氏は「何も知らない」と答えた。
記録によると、ショバーグ氏はエプスティーン被告から、クリントン氏は「若い女性が好きだ。つまり女の子のことだ」と聞いたことがあると証言した。
当該ファイルには、クリントン氏がエプスティーン被告の自家用機に搭乗していたことを認める内容の、マックスウェル受刑者の証言が含まれる。ただ、マックスウェル受刑者は、搭乗回数について知らないとしている。
クリントン氏は2000年代初頭、エプスティーン被告の自家用機に乗り、アフリカへの人道的旅行と称されるものに出かけていた。当時はエプスティーン被告のことを献身的な慈善家と称賛していたが、後に同被告と関わるのをやめたとしている。
クリントン氏は2019年の声明で、エプスティーン被告の自家用機での旅行には、自身の慈善団体「クリントン財団」のスタッフや支援者が同行していたと説明している。
同声明は「クリントン氏のシークレットサービスが、すべての旅に同行していた」としている。
公表文書には、クリントン氏が2001年1月に大統領を退任して間もなく、エプスティーン被告が所有するカリブ海の小島へ旅行したとの報道について、マックスウェル受刑者の弁護士が事実誤認だと証明しようとした経緯も含まれる。
マックスウェル被告の弁護士は、クリントン氏が「2001年1月1日から2003年1月1日の間に、リトル・セント・ジェイムズへ旅行した、あるいは居合わせた事実はない」と述べていた。
弁護士はさらに、この主張が事実なら、シークレットサービスには旅行に関する記録を提出する義務があったはずだとしている。
なぜトランプ氏の名前が
ドナルド・トランプ前米大統領の名前も、ショバーグ氏の証言に登場する。ショバーグ氏によると、2001年にショバーグ氏とエプスティーン被告がニュージャージー州にある同被告所有のカジノに向かう際、トランプ氏に連絡を取るつもりだと伝えられたという。
乗っていた機体をニューヨークに着陸させられなくなり、ニュージャージー州アトランティック・シティに立ち寄る必要があるとパイロットたちが伝えると、「ジェフリー(エプスティーン被告)は『いいね、トランプに電話しよう』と言った」のだと、ショバーグ氏は証言した。
文書には、トランプ氏による不正行為疑惑についての言及はない。
ショバーグ氏は宣誓証言の中で、トランプ氏にマッサージをしたことがあるか尋ねられる場面があった。ショバーグ氏はこれに「いいえ」と答えた。
ほかには誰の名前が?
ショバーグ氏はエプスティーン被告を通じて米歌手マイケル・ジャクソン氏と米マジシャンのディヴィッド・カッパーフィールド氏と会ったことがあると話したが、2人による不正行為があったとは主張していない。
フランスのモデル斡旋(あっせん)業者で、強姦罪と性的人身取引の罪で起訴されたジャン=リュック・ブルネル被告(2022年にパリの拘置所で自殺)の名前も、文書に何度も出てくる。
ジュフリー氏は宣誓証言の中で、ニューメキシコ州知事だったビル・リチャードソン氏(昨年死去)を含む著名人とのセックスを強要されたと述べている。リチャードソン氏はいかなる罪にも問われていない。生前、ジュフリー氏との面会を拒否していた。
文書によると、エプスティーン被告の自宅警備を担当していたアルフレド・ロドリゲス氏は、マックスウェル被告は「ボス」だったと証言している。
2015年に死亡したロドリゲス氏は、女子高生や、エプスティーン被告による勧誘行為を手伝っていた少女たちに渡す現金を常に持ち歩くよう言われていたと、文書には書かれている。
4日に公開された資料には、フロリダ州パームビーチのジョセフ・ルキャリー刑事の証言が含まれており、それによるとパームビーチにある被告宅で「マッサージや仕事」をしたと約30人の女性が刑事に話したのだという。エプスティーン邸でマッサージ係として働く若い女性を集めてくることに、マックスウェル受刑者は関与していたと刑事は話している。
刑事によると、エプスティーン邸でマッサージ担当となった若い女性のほとんどは18歳未満で、人にマッサージをする経験があるのは2人だけだった。
エプスティーン被告とマックスウェル受刑者
エプスティーン被告の2019年の死は自殺によるものだったと、ニューヨークの検死官が結論付けた。
マックスウェル受刑者は、イギリスでメディア王国を築いたものの、乱脈経営の実態が死後に明らかになったロバート・マックスウェル氏の娘で、エプスティーン被告による性的虐待を手助けしたとして、2022年に禁錮20年が言い渡された。受刑者の弁護団はこの判決について控訴している。
弁護団は声明で、マックスウェル受刑者は「一貫して、猛烈に、無実を主張している」と述べたと、米CNNは3日に報じた。