ロシア、黒海で軍艦に損傷と認める ウクライナ空軍が攻撃

キャスリン・アームストロング、ジェイムズ・ウォーターハウス、BBCニュース(ロンドンおよびウクライナ北東部)

ロシアは26日、黒海の港で同国の軍艦がウクライナの攻撃を受け、損傷したと発表した。

ロシアが占領しているクリミアのフェオドシヤ港が26日未明、空襲を受けた。

ロシア国防省は、大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」が、誘導ミサイルを搭載したウクライナ軍機に攻撃されたと認めた。

ウクライナ空軍のトップはそれ以前に、ロシアの戦艦を破壊したと発表していた

ロシアが任命したクリミア地域行政トップのセルゲイ・アクショノフ氏によると、この攻撃で1人が死亡。また、負傷者も数人出ているという。

アクショノフ氏はまた、建物6棟が損壊し、少人数が一時的な宿泊施設に収容されたと付け加えた。

攻撃による火災は収まっている。港は一時封鎖されたが、その後、輸送業務は通常通り機能しているという。

大きな爆発

ウクライナ空軍の司令官ミコラ・オレシュチュク中将は、港での大きな爆発を映したとされる映像を公開した。

この映像は独自に検証・確認されていない。しかし12月24日に撮影された人工衛星画像には、フェオドシヤ港に「ノヴォチェルカッスク」と同じ全長とみられる船が停泊しているのが写っていた。

ウクライナの前線での作戦に影響を及ぼしている西側諸国の支援が弱まっているなか、この船に大きな被害が出れば、ウクライナにとっては歓迎すべき朗報となる。「ノヴォチェルカッスク」は、ドック入りしていたことを考えると、兵士や装備品、あるいはその両方を積んでいた可能性が高い。

元北大西洋条約機構(NATO)アナリストで安全保障・防衛専門家のパトリック・バリー氏はBBCニュース・チャンネルに対し、この軍艦には、ロシアがウクライナの標的への攻撃に使用しているイラン製の無人偵察機シャヘドが搭載されているとみられていたと語った。

また、ウクライナのテレビに出演したウクライナ軍南部司令部のナタリヤ・フメニュク報道官は、このような大規模な爆発は、「船自体の燃料や弾薬以上のものが原因であることは明らか」だと述べた。

フメニュク氏は、ロシアとクリミア半島を結ぶケルチ橋が損傷したため、ロシアは「重要な貨物」の輸送に関して困難に直面していると付け加えた。

「つまり、(ノヴォチェルカッスクの積み荷は)完全に包装された、一種のクリスマス・プレゼントだった可能性が高い」

同艦が運用不能になれば、たとえ一時的であっても、ロシアによる北側の占領地域への兵員補給が妨げられることは間違いない。

しかし、この攻撃が前線にどのような影響を及ぼすのか、どの程度の期間、ロシア軍の作戦が中断されるのかについては、定かではない。

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これとは別に、ウクライナ空軍の報道官は、ミコライウから125キロメートルの地点で同軍の戦闘機「Su-14」2機がロシアに撃墜されたとの報告を否定した。

また、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は25日、ロシア軍が東部の要衝マリインカを制圧したと、ウラジーミル・プーチン大統領に報告した

ウクライナ政府は当初、この主張も否定していたが、同国軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は記者会見で、部隊がマリインカの郊外まで撤退したと述べた。

ロシアの支援を受けた武装組織が2014年に、東部ドネツク州とルハンスク州の大部分を掌握して以来、ウクライナはマリインカを防衛障壁として使用してきた。

「ノヴォチェルカッスク」がウクライナ軍の標的にされたのは今回が初めてではない。

ウクライナ国防省は2022年3月、占領下のベルジャンスク港への攻撃で同艦が損傷し、別の水陸両用強襲揚陸艦「サラトフ」が沈没したと報告した。

オレシュチュク中将はメッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、「ノヴォチェルカッスク」は昨年、黒海で沈没したロシア黒海艦隊の旗艦の巡洋艦「モスクワ」と同じ道をたどったと書いた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、戦時中に沈没した他のロシア艦船についても言及し、「ロシアの潜水艦黒海艦隊に別の艦船の補給を見事に迫った」空軍に「感謝する」と述べた。

「占領者たちは、ウクライナに平和な場所をひとつも持つことはないだろう」

ロシアは2014年にクリミアを併合。2022年2月に始まったウクライナへの全面侵攻では、クリミアにいる部隊が重要な役割を担っている。

クリミアのロシア軍はその後、ウクライナによる攻撃を繰り返し受けている。ウクライナ軍は11月、開戦以降に黒海でロシア海軍の艦船15隻を破壊し、さらに12隻を損傷させたと発表した。

人工衛星の画像によると、昨年9月にセヴァストポリの黒海艦隊司令部がミサイル攻撃された後、ロシア海軍が黒海艦隊の大部分をクリミアからロシアの黒海港ノヴォロシスクに移動させている。

一連の攻撃の結果、ロシア海軍の優位性はある程度低下した。しかし今年はウクライナの反転攻勢にもかかわらず、ロシアは占領地域を維持している。