台湾副総統、米ニューヨークに立ち寄り 「トラブルメーカー」と中国反発

デレク・ツァイ、BBCニュース(シンガポール)

台湾の頼清徳副総統(63)が13日、米ニューヨークを訪問した。中国は「トラブルメーカー」と頼氏を批判している。

頼氏は、南米パラグアイの新大統領の就任式に出席するため、同国に向かっている。その途中、経由地のアメリカに立ち寄っているというのが、台湾の公式な説明だ。パラグアイは、台湾と正式に国交を結んでいる13カ国のひとつ。帰路にはサンフランシスコを経由するとみられている。

頼氏は来年1月に予定されている台湾の総統選挙で、与党・民主進歩党の総統候補となっている。現時点で最有力の候補と目されている。

中国は台湾を離反した省とみなしており、台湾とアメリカの公式な交流に強く反対している。今回の訪問をめぐっては、経由を名目に台湾の政治活動に関わっているとして、アメリカを批判した。

台湾は、中国が今週、台湾周辺で軍事演習を実施するだろうとの見通しを示している。米議員が昨年8月に台湾を訪問した際には、中国は台湾周辺の海域で過去最大の軍事演習を繰り広げた。今年4月に蔡英文総統とケヴィン・マカーシー米下院議長がカリフォルニアで会談した後にも軍事演習を実施した

ニューヨークで演説

頼氏はニューヨークで、「権威主義」に直面する台湾で主権を守ると演説した。帰路はサンフランシスコを経由する見通し。

頼氏は演説で、台湾の未来を決められるのは台湾の人々だけと主張。台湾と中国は「互いに従属関係にはない」と付け加えた。

また、平和と安定のために中国と対話することは「いとわない」と強調した。この言い方は、中国を怒らせずに支持層の拡大を狙う総統選候補がよく使うものだ。

頼氏はかつて、「台湾独立のための現実的な活動家」を自称し、中国の不興を買っている。

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専門家らは、頼氏の発言がアメリカと台湾の間の緊張をさらに高める恐れがあると警告している。中国がすぐに頼氏の発言を非難したことから、中国を怒らせたのは疑いないとしている。

アメリカは1979年に、台湾との正式な国交を断った。ただ、台湾の密接な同盟国であり続け、台湾の自衛を支援すると定めた台湾関係法の下、数十億ドル規模の兵器を売却している。

台湾は、独自の法律と民主的に選ばれた指導者をもつ、中国本土とは別の国を自認している。中国は、特に習近平国家主席の体制になってから、必要なら武力で台湾を支配する姿勢を強めている。