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ウクライナ、徴兵担当を解任 出国希望者から収賄の疑い
ウクライナ政府は11日、徴兵を逃れたい希望者から賄賂を受け取り、国外脱出を支援していたとして、国内各地の徴兵担当者を解任した。政府が進める汚職撲滅運動の一環。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアに投稿した動画で、ウクライナ保安庁(SBU)などの捜査の結果、全国の徴兵担当者33人を112件の罪状で訴追したと明らかにした。
大統領は、訴追された徴兵担当者らは徴兵対象者から現金あるいは暗号資産を受け取り、出国の手助けをしたと発表。戦争中にこうした賄賂を受け取ることは、「国に対する重大な裏切り」だと非難した。
「我々は地方の軍事委員全員を解任する」とゼレンスキー大統領は言い、「この(徴兵の)システムは、戦争が何かをはっきり認識し、戦時中の冷笑や賄賂がなぜ国に対する重大な裏切りなのかはっきりわかっている人間が動かすべきだ」と述べた。
大統領は現在の徴兵制度が「まともに機能していない」として、各地の徴兵担当が「戦士を、まるで自分の職務を扱うようにずさんに扱っている。まったく道徳にもとる」と批判した。
大統領は声明で、こうした汚職の疑いは「ウクライナの国家安全保障を脅かし、ウクライナ国家の制度・機関に対する信用を損なう」ものだと述べた。
徴兵担当者の後任は、戦地での経験を持ち、保安庁が身元確認などを済ませた対象者から選出するという。
ウクライナでは総動員令が施行されており、18歳以上で戦闘可能な男性は全員が徴兵対象。加えて、60歳未満の成人男性のほとんどが出国を認められていない。
ウクライナもロシアも、2022年2月の侵攻開始から何人の兵士が戦死したか、公表していない。しかし、消耗戦が続く中で両国ともさまざま方法で兵員を増やそうとしている。
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ゼレンスキー政権は汚職撲滅の取り組みを続けており、今年1月には汚職の疑いを指摘された高官11人が辞職。2月には富豪や元内相を家宅捜索し、5月には国家反汚職局と反汚職専門検察が汚職の疑いで最高裁長官を拘束した。
ウクライナでは開戦前から、公務員の汚職問題が長年にわたりはびこってきた。欧州連合(EU)への加盟を求めているウクライナにとって、汚職対策はEUから課せられている重要な要件のひとつ。他の西側機関も、ウクライナに汚職対策を要求している。
各国の腐敗・汚職に取り組む非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナルの2022年の汚職国家ランキングでは180カ国中116位。前年は180カ国中122位だったため、近年の対策が評価されている様子がうかがえる(汚職度が最も低いと評価され、180カ国中1位の国は、デンマーク)。