米最高裁、「幽霊銃」規制の復活を一時的に認める バイデン政権が要請

米連邦最高裁判所は8日、ジョー・バイデン政権が要請していた、未登録で追跡不能な「幽霊銃」規制の一時的な復活を認めた。この規制をめぐっては、テキサス州の裁判所が7月、連邦政府による権限の過剰行使だと判断。政権側が控訴しており、その判決が出るまでの復活となる。

「幽霊銃」のまん延を抑制することを目的とした新規制は、昨年8月に施行された。身元確認なしでネットや店舗で購入できる組み立て式の銃キットについて、製造業者の免許取得や、キットのフレームやレシーバーにシリアルナンバーを記載すること、販売業者の免許取得を義務付けるもの。「幽霊銃」は時には3Dプリンターで製造される。

銃の権利団体や銃所有者は、新規則の差し止め求めて提訴。テキサス州の連邦地裁のリード・オコナー判事は7月、「自分で買って、組み立てて、撃てる」銃キットを銃器として分類するこの規制により、バイデン政権は1968年の銃規制法で定められた権限を超えることを行ったとの判断を示した。

最高裁は8日、リベラル派の判事3人に加えて保守派判事2人も規制復活を支持。反対は4人で、バイデン政権の要請を認めた。

この判断により、控訴中は「幽霊銃」規制が引き続き適用されることとなった。

今回の判断は、ホワイトハウスに対して銃乱射事件へのさらなる措置を求める圧力が高まる中で示された。

1人あたりの銃器所有数が世界最多

ホワイトハウスは、未登録の武器について迅速な対応が必要だとしている。2021年に犯罪捜査で見つかった「幽霊銃」の疑いのある銃は2万丁と、5年前の10倍に増加しているという。

アメリカの1人あたりの銃器所有数は世界最多で、国民の手に渡る銃の数は、実際の国民の数よりも多い。

米疾病対策センター(CDC)によると、2021年に銃によるけがで死亡したアメリカ人は4万8800人以上。

近年、米最高裁はおおむね、銃に関する個人の権利を広げる判決を出している。昨年は、護身用のために個人が公共の場で拳銃を携帯する権利が、合衆国憲法で保護されていると判断した。

最高裁では秋以降、家庭内暴力を理由に接近禁止命令を受けた人の銃器所有の可否について審理が予定されている。

米議会では銃規制をめぐり深い分断が生じている。バイデン氏と民主党は連邦法以外の手段を用いて、銃規制を強化しようとしている。「幽霊銃」規制のような政府の措置や、民主党が多数派の州や地方レベルで可決される法律などがこれにあたる。