銃規制強化求め州議会から除名の議員、2人目も復帰 米テネシー州

米テネシー州議会で銃規制強化を求めた民主党議員3人が除名動議の対象となり2人が除名された問題で、2人とも12日までに暫定的な議会復帰が認められた。

ジャスティン・ピアソン議員(民主党)は6日、テネシー州議会から共和党の賛成多数で除名された。地元シェルビー郡の議会は12日、代表7人全員が選挙区の暫定的な代表としてピアソン議員を州議会に送ることに賛成した。これを受けてピアソン議員は同日、州議会に再び登院した。

「この選挙区の人たちが圧倒多数で選出した人が、州議会で有権者の代表を務めるのは大事なことだと思う」と、郡議会のミッケル・ラワリー委員長は取材に対して話していた。

同様に、ナッシュヴィル市選出のジャスティン・ジョーンズ議員(同)も10日に、除名されたばかりの州議会に暫定的に復帰している。

州議会に除名された2人の議席については、数カ月中に特別補選が行われる。両議員とも出馬する方針を示している。

12日の郡議会採決に先立ち、ピアソン議員はメンフィス市内の公民権博物館から行進を先導し、「NRA(全米ライフル協会)や銃ロビイストを支えるのではなく、銃暴力の被害者を支える民主主義」の重要性を強調した。

学校銃乱射事件をきっかけに

ナッシュヴィルでは3月27日に小中学校で乱射事件があり、子供3人を含む6人が殺害された。これを受けて、銃規制強化を求める大勢が州議会議事堂に押しかけた。

除名動議の対象になった民主党議員3人は3月30日に、集まった人たちの声に合わせて、州下院の本会議場で「行動がなければ平和はない」と連呼。ジョーンズ議員とピアソン議員は拡声器を使い、演台をたたきながら演説し、議員3人とも、「もうたくさんだ」「人々に力を」などと繰り返した。これによって州下院の審議が1時間近く滞った。

これを受けて、共和党が多数を占める州議会は民主党議員3人が「下院に混乱と不名誉」をもたらしたと非難し、6日に3人の除名動議を採決。グロリア・ジョンソン議員は除名可決に1票不足したため除名されなかったが、ジョーンズ議員とピアソン議員は除名が決まった。

ジョンソン議員は、自分だけ除名を免れたのは自分が白人で、他の2人が黒人だからかもしれないとの見方を示した。これについて共和党側は、ジョンソン議員は拡声器を使わなかったことが理由だとしている。

大統領や連邦議員らも批判

両氏が代表する有権者は、計約14万人に上る。2人の除名について複数の有権者はBBCに対して、自分たちの権利が侵害されたと感じると話していた。

連邦議会上院の民主党議員の一部は、ピアソン議員とジョンソン議員の除名について、「憲法違反や公民権関連の連邦法違反がなかったか」調べるよう司法省に呼びかけている。

ジョー・バイデン大統領(民主党)も、テネシー州議会の動きを「民主的でない」と批判している。

テネシー州下院が議決によって議員を除名したのは過去に2回。1980年にはわいろを要求して有罪となった議員が、2016年には性的不法行為が批判されていた与党幹事長が、それぞれ除名された。ただしどちらの場合も、民主・共和両党が超党派で除名を強く支持していた。