米テネシー州議会から除名の議員1人復帰、地元市議会が可決 銃規制めぐり

米テネシー州議会で銃規制強化を求めた民主党議員3人が除名動議の対象となり2人が除名された問題で、そのうち1人を選出したナッシュヴィルの市議会が10日、満場一致で暫定的な州議会復帰を可決した。

ナッシュヴィル選出のジャスティン・ジョーンズ州下院議員について、同市議会は特別審議を開き、賛成36、反対0の満場一致で、ジョーンズ氏を再び市の暫定的代表として州議会に送ることを可決した。これを受けてジョーンズ議員は同日、6日に除名されたばかりの州議会に再び登院した。

ナッシュヴィル市のジョン・クーパー市長は市議会の採決に先立ち、銃規制強化を求めた議員2人を州議会が除名したのは「前例のないことだ」と批判。「地元を代表する声を選挙区が取り戻せるよう、この議会に投票を呼びかけます」と述べていた。

3議員除名から初の州議会審議が開かれた10日夕、議事堂外の階段でジョーンズ氏はあらためて州下院議員として宣誓就任した。大勢の支持者が集まり、歓声をあげた。

本会議場で自分の元の座席に戻ったジョーンズ議員は、「人々の家(議事堂の意味)に民主主義を再び歓迎したい」と述べ、「真実は、たたきのめされても再び立ち上がる。民主主義に対する不当な攻撃は、必ず反撃される」と強調した。

6日にジョーンズ議員と同様に州議会下院を除名されたジャスティン・ピアソン議員については、選出区シェルビー郡(メンフィス市を含む)の議会が12日にも郡の暫定的な代表として州議会に復帰させるべきか採決する。

ジョーンズ氏とピアソン氏は共に、数カ月以内に行われる特別選挙に出馬し、州議会議員として暫定的ではなく本格的に復活することを目指すと表明している。

両氏が代表する有権者は、計約14万人に上る。2人の除名について複数の有権者はBBCに対して、自分たちの権利が侵害されたと感じると話していた。

ナッシュヴィルでは3月27日に小中学校で乱射事件があり、子供3人を含む6人が殺害された。これを受けて、銃規制強化を求める大勢が州議会議事堂に押しかけた。除名動議の対象になった民主党議員3人は3月30日に、集まった人たちの声に合わせて、州下院の本会議場で「行動がなければ平和はない」と連呼。ジョーンズ議員とジャスティン・ピアソン議員は拡声器を使い、演台をたたきながら演説し、議員3人とも、「もうたくさんだ」「人々に力を」などと繰り返した。これによって州下院の審議が1時間近く滞った。

これを受けて、共和党が多数を占める州議会は民主党議員3人が「下院に混乱と不名誉」をもたらしたと非難し、6日に3人の除名動議を採決。グロリア・ジョンソン議員は除名可決に1票不足したため除名されなかったが、ジョーンズ議員とピアソン議員は除名が決まった。

ジョンソン議員は、自分だけ除名を免れたのは自分が白人で、他の2人が黒人だからかもしれないとの見方を示した。これについて共和党側は、ジョンソン議員は拡声器を使わなかったことが理由だとしている。

テネシー州下院が議決によって議員を除名したのは過去に2回。1980年にはわいろを要求して有罪となった議員が、2016年には性的不法行為が批判されていた与党幹事長が、それぞれ除名された。ただしどちらの場合も、民主・共和両党が超党派で除名を強く支持していた。