【東京パラ】 陸上男子400mの佐藤が金 日本勢1日でメダル5個獲得

東京パラリンピックは27日、陸上競技が始まり、男子400メートルT52で佐藤友祈(31)が金メダルを獲得した。上与那原寛和(50)も銅メダルを勝ち取った。日本勢はこの日、陸上と柔道で計5個のメダルを手にした。

陸上では他に、男子5000メートルT11で唐沢剣也(27)が銀メダル、和田伸也(44)が銅を獲得。柔道の男子66キロ級の瀬戸勇次郎(21)も銅を勝ち取った。

残り10メートルで

陸上はオリンピックスタジアム(国立競技場)で、男子400メートルT52(車いす)の決勝があった。

スタート直後から、3連覇を狙ったレイモンド・マーティン(27、アメリカ)が勢いよく飛ばし、佐藤が追いかける展開になった。

ラスト100メートルの直線に入った時点ではまだマーティンがリードしていたが、佐藤が力強いスパートをかけ、ぐんぐん加速。残り約10メートルで一気に追い抜くと、55秒39のパラリンピック記録で優勝した。

3位には上与那原が59秒95で続いた。

「東京でリベンジ」

日刊スポーツによると、佐藤は21歳で骨髄炎にかかり、左腕と下半身にまひが残った。2012年ロンドン大会を見て、車いす陸上を始めたという。

前回リオデジャネイロ大会の400メートルでは、マーティンに敗れ銀メダルだった。

レース後のインタビューで佐藤は、「リオでマーティン選手に敗れて、東京でリベンジ、世界記録挑戦の思いでやってきた。世界記録にはあとほんの少し足りず、それでもパラリンピックレコードは大きく更新することができた」と話した。

そして、「またパリでしっかり400メートル世界記録更新と金メダル獲得を達成したいと思います」と、次の大会への意気込みを語った。

「恩返しできた」

一方の上与那原は、沖縄タイムスによると、28歳の時にバイク事故で頸椎(けいつい)を損傷。31歳で競技を始め、今回で4大会連続の出場を果たした

2008年北京大会のマラソンで銀を勝ち取って以来のメダル獲得となった上与那原は、「応援してくださる方々に、形あるものとして、恩返しができたのかなと思う」と、レース後に感謝を表明。

「練習どおり、指示を受けて、それを貫き通したことがよい結果につながったと思っています」と振り返った。

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残り1周でトップに

男子5000メートルT11(視覚障害、伴走者が必要)の決勝には、唐沢と和田が出場。ともに序盤から好位置につけた。

残り1周の手前の直線で、唐沢は先行していたエウチン・ジャッキス(29、ブラジル)を追い抜きトップに。唐沢はスパートをかけてリードを広げたが、ジャッキスが徐々に差を詰めてかわし、15分13秒62で優勝した。

唐沢は15分18秒12、和田は15分21秒03で、それぞれ続けてフィニッシュした。

「パリ以降につながる」

朝日新聞によると、唐沢は先天性の網膜の病気で小学4年の時に失明した。リオ大会で同じ障害がある選手の活躍を知り、本格的に競技を始めたという。

レース後のインタビューで唐沢は、「ラスト1周で先頭に出ることができた」、「パリ以降につながるレースができたのが1つ大きいかなと思う」と話した。

一方の和田は、「金には届かなかったが、メダルに届いた。リオではメダルを残していたので、ロンドンの5000メートルから復活し、大変よかったと思う」と話した。

読売新聞によると、和田は大学在学中に網膜色素変性症と判明した。2012年ロンドン大会では5000メートルで銅メダルを獲得したが、前回リオ大会ではメダルなしに終わっていた。

逆転の一本勝ち

この日は柔道も日本武道館で始まった。男子66キロ級の瀬戸は、準々決勝で敗れたが、敗者復活戦に勝って3位決定戦に臨んだ。

3位決定戦では開始37秒、瀬戸が大内刈りをかけたところを、ギオルギ・ガムヤシビリ(26、ジョージア)が返し、裏固めで技ありを奪ってリード。

瀬戸はその後、浮技で技ありを取って追いつくと、2分過ぎに内股すかしを決めて一本勝ちした。

大学4年生の瀬戸は、パラリンピック初出場。NHKによると、生まれた時から弱視をともなう色覚障害があり、4歳で柔道を始めた。高校3年生の時、視覚障害者柔道に転向したという。

「パリで金メダル取れるよう」

瀬戸は試合後のインタビューで、「めっちゃうれしいです」と喜びを表現。「この1年で、いろんな方に支えられて柔道ができていることを再確認できた。これまでずっと支えてきてくれた人たちに感謝を伝えたいです」と話した。

そして、「次はパリで金メダル取れるように頑張っていこうと思っています」と決意を述べた。

この階級では、準々決勝で瀬戸を下したウチクン・クランバエフ(25、ウズベキスタン)が金メダル、セルヒオ・イバニェス・バニョン(22、スペイン)が銀メダルを獲得した。

女子52キロ級の藤原由衣(28)も3位決定戦に挑んだが、アレシア・ステパニウク(36、ロシア・パラリンピック委員会)が合わせ技で一本で勝利した。

アフガン難民選手が初出場

この日、東京アクアティクスセンターであった競泳では、アフガニスタン出身で難民選手団のアッバス・カリミ(24)がパラリンピック初出場を果たした。

男子50メートルバタフライS5の決勝に進んだカリミは、8位でフィニッシュした。

生まれつき両腕が欠損。16歳でアフガニスタンからイランに逃れ、トルコを経て2016年にアメリカに移り住んだ。

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