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チェコとロシア、互いに外交官追放 2014年のチェコ弾薬庫爆発めぐり
2014年10月にチェコ南東部の弾薬庫が爆発し2人が死亡した事件をめぐり、チェコとロシアが互いに外交官を国外追放にしている。さらに、2018年に英南部ソールズベリーで有毒の神経剤ノビチョクが使われた事件の実行犯とされたロシア軍情報機関の工作員2人の名前が、チェコの事件でも浮上した。
チェコ政府は17日、2014年10月16日に南部ヴルベティツェの森で弾薬庫が爆発した事件について、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の特殊工作部隊「29155」が関与したと捜査結果を発表。それに伴い、ロシアの外交官18人を、情報機関の工作員だとして国外追放にした。
これを受けてロシア政府は18日、チェコの外交官20人を追放すると発表。チェコ政府の判断は「前例のない」「敵対的行為」だと反発した。「アメリカがこのところ対ロ制裁を連発していることを背景に、アメリカに気に入られようとした」チェコ政府によるスタンドプレーだと批判している。
チェコのヤン・ハマチェク外相代行は、19日の欧州連合(EU)外相会議で弾薬庫爆破について報告するほか、北大西洋条約機構(NATO)にも同様に報告する方針を示している。
米国務省は、「チェコ国土におけるロシアの破壊工作に対してきっぱり行動」したチェコ共和国を支持するとコメントしている。
米政府は今月15日、米テキサス州のソーラーウィンズ社が開発したネットワーク管理ソフトへの大規模攻撃にロシアが関与していたほか、ウクライナを威圧したり、2020年米大統領選に介入したりしたと主張し、ロシア外交官10人を国外追放にしたほか、ロシア政府関連の団体などに経済制裁を科している。
弾薬庫爆発と毒殺未遂
2014年に起きたチェコ南部ヴルベティツェの弾薬庫爆発では、近隣の建物の窓が割れ、周辺の学校では生徒たちが避難した。弾薬庫で働いていた56歳と69歳の男性2人の遺体は、爆発から1カ月以上たって発見された。
爆発の原因は当時、事故だとされていたが、捜査当局はロシアGRUの工作員、アレクサンドル・ミシュキンとアナトリー・チェピゴフ両容疑者が関与したと発表した。
両容疑者は2018年3月に英南部ソールズベリーでロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)が有毒の神経剤「ノビチョク」による毒殺未遂に遭った事件をめぐり、英当局が殺人未遂容疑で指名を公表したロシア人2人と一致するとされる。英政府は当時、スクリパリ親子を毒殺しようとした男2人は「アレクサンデル・ペトロフ」と「ルスラン・ボシロフ」の名前で知られているが、おそらく偽名だろうと発表していた。
調査報道サイト「ベリングキャット」は、「アレクサンデル・ペトロフ」はGRUのアレクサンドル・ミシュキン将校の偽名で、「ルスラン・ボシロフ」は同じくGRUのアナトリー・チェピガ将校だと報道している。
ソールズベリでは同年6月にも、ソールズベリーから12キロ離れたウィルトシャー・エイムズベリーの住宅でドーン・スタージェスさん(44)とチャーリー・ロウリーさん(45)が、捨てられていた香水の瓶(びん)からノビチョクを浴びて意識不明となり、スタージェスさんは7月に亡くなった。
チェコ警察の捜査
チェコ警察は、ソールズベリ事件の容疑者のパスポート写真から弾薬庫爆破の容疑者を特定したという。
調べによると、弾薬庫を運営する会社イメックス・グループに、タジキスタン国防軍からだと主張するメールが届き、そこに男性2人のパスポート画像が添付されていた。この2人による弾薬庫点検を許可して欲しいという要請メールで、男性2人はタジキスタン人ルスラン・タバロフとモルドヴァ人ニコライ・ポパだという内容だった。
添付されていた顔写真が、英当局が発表したソールズベリ事件の容疑者のものと一致したという。
男2人は2014年10月13日に、弾薬庫に近いオストラヴァの宿泊施設にチェックインした。17日まで滞在予定だった。
爆発は16日にあり、2人はその日のうちにウィーンへ移動し、そこからモスクワへ向かったという。
捜査当局は、弾薬庫がどのように爆破されたのか、正確な手口は分かっていないとしている。