英フィリップ殿下死去、英王室は献花よりチャリティー献金を呼びかけ

王室バッキンガム宮殿は9日、エリザベス女王(94)の夫、エディンバラ公フィリップ殿下への追悼の献花を控えるよう市民に求めた。

同日正午過ぎにフィリップ殿下の死去が公表されると、バッキンガム宮殿の外には多数の花やイギリス国旗ユニオン・ジャックが手向けられた。

新型コロナウイルス対策の社会的距離を確保するため、騎馬警察が弔問者に2メートルの間隔をあけるよう求める場面もあった。

王室スタッフは当初、エディンバラ公爵の死去を発表する声明文を宮殿の正門に設置したが、1時間後には撤去した。新型ウイルス対策の規制が敷かれる中、人が集るのを回避するためだ。

バッキンガム宮殿やウィンザー城の前には大勢が次々と追悼の花を手向けたものの、政府はパンデミック対策への配慮から市民に王室の居宅に集まったり追悼の品を置かないように呼びかけた。

宮殿の係官たちは花を手にやってくる人たちに、行列するよう求めつつ、大勢で集まらないよう求めていた。

騎馬警官たちは集まった人たちに、社会的距離を維持するよう念を押し、家族以外とは2メートル以上の距離を開けるよう注意し続けた。

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王室は市民に、フィリップ殿下のために花束を手向ける代わりに、殿下が支援した数々の慈善団体への寄付を検討して欲しいと呼びかけた。王室の公式サイトには追悼の言葉をオンライン記帳できる芳名録ページが用意された。メッセージのいくつかは王室メンバーへ渡される予定。

英政府も市民に対し、新型ウイルス対策の規制に反してバッキンガム宮殿やウィンザー城に集らないよう求めている。

宮殿近くのピムリコに住むリア・ヴァーマさんは、自転車に乗って花と「安らかに、公爵」と書いたメモを手向けに行った。

ヴァーマさんはBBCニュースに対し、公爵は「理解しがたいほど古風な安定感のある人だった。確かな誠意をもたらしてくれる存在だった」と語った。

アダム・ウォートン=ワードさん(36)は宮殿の門の前にユリの花束を手向けた。フランスからロンドンを訪れていたところ訃報を聞き、女王のために「駆けつけ」たのだという。

「すごく悲しい。殿下は73年間も女王と一緒だった。もし彼がいなかったら、女王は乗り越えてこられなかったかもしれない」

王室は発表文で、「女王陛下は深い悲しみとともに、愛する夫エディンバラ公フィリップ殿下の死を発表した」、「殿下は今朝、ウィンザー城で安らかに亡くなった」と発表。「追加の発表は追ってする」として、「王室は世界中の人々と共に(殿下の)死を悼んでいる」と付け足した。

スコットランド・エディンバラにあるエリザベス女王の公邸ホリールード宮殿の外にも同様の声明が掲示された。同宮殿は半旗を掲げた。

王室では伝統的に発表文書を額に入れて掲示する。近年では出産の発表でもこの方法がとられており、この場合は金色のイーゼルに取り付けられている。

しかし新型ウイルスの感染流行により、王室の伝統の多くに変化が生じている。

パンデミック以前には毎年数百万人が見物していたバッキンガム宮殿やセントジェイムズ宮殿、ウィンザー城での衛兵交代は、混雑回避のため昨年3月に中止された。