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ブラジル、1日の死者初めて2千人超える 変異株が優勢に
ブラジルで10日、新型コロナウイルスの1日あたりの死者が初めて2000人を超えた。感染率も急上昇している。
ブラジルの新型ウイルスの死者は10日、2286人だった。これで合計は26万8370人となり、アメリカに次いで世界で2番目に多い状態が続いている。
同じ日に確認された新規感染者は7万9876人で、1日あたりの人数としては、これまでで3番目に多かった。
専門家らは、アマゾン地域の都市マナウスで発生したと考えられている、感染力が強い変異株「P1」によって、ブラジル国内の感染率が上がっていると警告。大都市の多くで、医療制度が崩壊に近づいているとしている。
ただ、ジャイル・ボルソナロ大統領は一貫して、新型ウイルスの脅威を軽視してきた。地方政府による隔離措置については、経済への打撃が新型ウイルスよりマイナス効果が大きいとして反対。国民に向けては今週、「泣き言を言うな」と発言した。
一方で10日には、ここ1カ月で初めて、マスクを着けた姿が確認された。
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ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルヴァ元大統領は同日、パンデミック下でボルソナロ大統領が下してきた決定を「愚か」だと非難。「多くの死は避けられたはずだ」とし、国民は大統領に従わず「ワクチンを接種」すべきだと主張した。
ボルソナロ氏は、この批判を不当だとした。
「今年もかなり大変」
保健省の研究機関、オズワルド・クルズ財団(FIOCRUZ)の医師で研究者のマーガレス・ダルコルモ氏は、ブラジルが「パンデミックの最悪の時期にある」とAFP通信に説明。「2021年もかなり大変な年になるだろう」と述べた。
同財団によると、リオデジャネイロやサンパウロなど15の州都で、集中治療室(ICU)の病床稼働率が90%を超過。「医療制度に負荷がかかり過ぎ、崩壊さえ」危ぶまれている状況だという。
報道によると、首都ブラジリアではICUが満床となっている。州都ポルト・アレグレ、大都市カンポ・グランデのICUは、収容人数が定員を超過している。
伝染病学者ペドロ・ハラル博士は「国民へのワクチン接種をすぐに始めなければ、大きな悲劇となるだろう」とBBCに説明。国民は「連邦政府に見捨てられたと」感じていると述べた。
P1変異株
新型ウイルスの変異株「P1」については、研究の初期結果から、従来型より感染力が最大2倍ほど強い可能性がある。
また、従来型への感染によってつくられた免疫から逃れる性質をもっているともみられている。従来型に感染した人がP1に感染する確率は25~60%とされている。
オズワルド・クルズ財団は先週、P1について、調査した8州のうち6州で優勢となった数種の「懸念すべき変異株」の1つに過ぎないと述べた。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、ブラジルの状況を「非常に気がかりだ」とし、地域で拡大する恐れがあると警告した。
BBCのスミサ・ムンダサド保健担当記者は、世界の国々が新型ウイルスとの闘いで実現してきた前進を、P1が脅かすことが懸念されるとした。