イラク・バグダッドで自爆攻撃、32人死亡 ISが犯行声明

イラク・バグダッドで21日、2度の自爆攻撃があり、少なくとも32人が死亡し100人以上が負傷した。過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。バグダッドでの自爆攻撃としては過去3年間で最大規模。

IS系のアマク通信は、イスラム教シーア派が標的だったとする声明を伝えた。

犯人らはバクダッド・タヤラン広場の古着市場で、大勢の買い物客が集まる中、自爆した。

イラク内務省の声明によると、最初の自爆犯は近くに人を集めるため、気分が悪いと訴えていたという。

ある露店商はロイター通信に対し、「男は起爆装置を持っていた。すぐに爆発が起こり、人々が粉々になってしまった」と証言した。

他の人たちが犠牲者を助けようと近づいたところ、2人目の犯人が自爆したと、内務省は説明した。

複数の目撃者は、タヤラン広場は事件当時、1年近く続いた新型コロナウイルス関連の制限措置が緩和されたことを受け、混みあっていたと話した。

事件発生の数時間後、ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)集団のISは、メッセージアプリ「テレグラム」のアカウントを通じて犯行声明を出した。

国内外から非難の声

イラクのバルハム・サリフ大統領は、政府は「我々の国を揺るがそうとする悪質な試みに、断固として立ち向かう」とし、今回の攻撃を非難した。

3月にイラクを訪問予定のローマ教皇フランシスコは、サリフ大統領に「この愚かな残虐行為を遺憾に思う」とのメッセージを送った。

アメリカ、欧州連合(EU)、国連もこの攻撃を強く非難した。

2017年末にISが軍事的に敗北して以降、バグダッドでの自爆攻撃はまれになっている。

ISはかつてイラク東部からシリア西部までの8万8000平方キロを制圧し、約800万人の住人を残虐に支配していた。

ISは戦闘には敗れたが、昨年8月の国連の報告書は、推定1万人以上のIS戦闘員がイラクとシリアで活動を続けているとした。

スリーパー・セル(潜伏集団)は主に農村地域で、イラク政府の治安部隊などを標的に活動している。

過去にも議会選挙前に

バグダッドで最後に自爆攻撃が起きたのは2018年1月。この時もタヤラン広場で犯人が爆発物を起爆させ、35人が死亡した。

この攻撃があったのは、議会選挙の数カ月前だった。今年も6月に議会選挙を控えている。

イラク政府は先日、有権者や新党の登録に時間的猶予を与えるため、投票日を6月から10月に再設定する方針を発表した。