スウェーデン、ロックダウンせず「多くの死者出た」 政府疫学者

People enjoy the warm evening at Sundspromenaden in Malmo, Sweden, on May 26, 2020

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画像説明, スウェーデンの人々は社会的距離を保つよう求められてきたが、ロックダウンは敷かれていない

スウェーデン政府の疫学者で、新型コロナウイルスの感染症(COVID-19)対策を指揮してきたアンデシュ・テグネル博士は3日、厳格なロックダウン(都市封鎖)を敷かないという判断によって同国で想定より多くの死者が出たと認めた。

スウェーデンでは、新型ウイルスによる死亡率が近隣諸国よりもはるかに高い。国民は国境を越えて他国へ入国することを禁止されている。

テグネル博士は、早い段階でもっと対策を講じるべきだったと、同国の公共ラジオのインタビューで述べた。

「我々が行ってきたことについて、改善の余地があるのは非常に明らかだ」

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、人口約1000万人のスウェーデンではこれまでに4542人が死亡し、4万803人の感染が確認されている(日本時間4日午後1時時点)。

一方、隣国デンマーク(人口約581万人)では580人、ノルウェー(同約532万人)では237人、フィンランド(同約551万人)では321人が死亡している。スウェーデンは3日、新たに74人が死亡したと発表した。

テグネル博士の見解の変化

テグネル博士は今年4月、BBCに対し、スウェーデンの死者数が多いのは介護施設など高齢者用施設で感染症を持ち込まないようにできなかったためだと説明。「我々の戦略が総じて不的確だったわけではない」と強調していた。

そして現在では、「もし我々が同じ感染症に再び遭遇したら、今我々が知っていることを踏まえると、スウェーデンの対策と他の国々の対策の中間の対策に落ち着くと思う」とラジオで語っている。

あまりに早期にあまりに多くの人が死亡したと思うかと問われると、「はい、それは間違いない」とテグネル博士は答えた。

一方で、スウェーデンがどう対処すべきだったかについては明言しなかった。また、その後の記者会見では、「我々は基本的には今でもスウェーデンにとって正しい戦略だったと考えている」と強調した。

動画説明, パブもバーも開いているスウェーデン ロックダウンなしの感染対策

スウェーデンが段階的に新型ウイルス対策を強化した一方で、他国は即座にロックダウンを敷き、徐々に経済活動を再開していったと、テグネル博士は述べた。

テグネル博士は、ロックダウンが有効だったかどうかを判断するには時期尚早だと警告した。

「過去3~4カ月の間の過程を見れば、この感染症が再び拡大する可能性が非常に高いことがわかる」

スウェーデンの新型ウイルス対策

スウェーデンはロックダウンは敷かずに、自主的な社会的距離の確保や50人以上の集会の禁止、老人介護施設への訪問停止に頼ってきた。

国のガイドラインでは、必要不可欠な旅行は今も推奨されていない。しかし、地元の店舗へ行ったり他の住民と交流したりしないことを条件に、親族や近しい友人に会うために最長2時間の遠出は認められている。

Denmark's Superliga football championship has resumed behind closed doors

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画像説明, デンマーク・サッカー、スーペルリーガは無観客で試合を再開している

デンマークとノルウェーが経済活動を再開する中、スウェーデンに対する国内や近隣諸国からの批判が高まっている。

ノルウェー公衆衛生研究所(NIPH)のフローデ・フォーランド氏は、隣国がロックダウン措置を選ぶ中、スウェーデンは歴史的なウイルス対策に重点を置き過ぎていたと指摘する。

スウェーデン政府の元疫学者アニカ・リンデ氏は、スウェーデンは対応を誤ったと考えている。リンデ氏は、次の3点を重視すべきだったと指摘する。

  • 早期のロックダウン
  • 介護施設でのさらなる感染防止対策
  • アウトブレイク発生地域での集中的なウイルス検査や接触歴の追跡

スウェーデンメディアによると、テグネル博士とその家族は先月、メールで複数の脅迫を受けていたという。