東京五輪の今夏開催、いっそう怪しく 安倍首相も延期に言及

今夏開催予定の東京オリンピック・パラリンピックは、カナダが主要国で初めて不参加を表明し、スケジュール通りの開催が一段と怪しくなってきた。

カナダ側の発表の前には、日本政府の安倍晋三首相が23日、東京五輪の延期の可能性に初めて言及した。

一方、オーストラリアのオリンピック委員会は同日、大会が予定通り開催されないのは「明らか」だとし、選手たちに2021年の開催に合わせて準備するよう指示した。

東京五輪は7月24日に開幕が予定されている。

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カナダは「難しい決断」

カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会は22日、選手やスポーツ団体、カナダ政府と協議の末、今夏の東京五輪には参加しないという「難しい決断」をしたと明らかにした。

また、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)、世界保健機関(WHO)に対し、大会を1年間延期するよう「強く求めた」とした。

声明では、「延長に伴う複雑な問題は認識しているが、カナダ選手と国際社会の健康と安全より大事なものはない」と述べている。

その後、ツイッターでも「パフォーマンス、記録、メダル以上。より大きなものの一部であるということだ」、「今日延期し、明日克服する」などのメッセージを発信した。

安部首相が延期に言及

日本の大会関係者はこれまで、東京五輪の予定通りの開催を繰り返し表明してきた。

しかし23日になり、安倍首相は初めて、大会が延期となる可能性について国会で語った。

安倍氏は、「仮にそれ(完全な形での東京五輪の実施)が困難な場合には、アスリートのことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ないと考えている」と述べた。

一方で、中止は選択肢にないと強調した。

オリンピックが平時に延期となったことは、これまで一度もない。1940年に予定されていた東京五輪は、第2次世界大戦のため中止となった。

IOCは「人命優先」

IOCは22日、理事会を開いた後、東京五輪の延期を検討しており、4週間以内に結論を出すとの声明を発表した。

東京五輪の延期については「シナリオ」の1つとした一方、中止は「いかなる問題も解決せず、誰のためにもならない」と述べた。

トーマス・バッハ会長は選手に向けた書簡で、「人命はすべてに優先する。大会の開催よりもだ」、「私たちみんながくぐっているこの暗いトンネルの先では、どれくらい距離があるかわからないが、五輪聖火が輝いているだろう」と述べた。

他の国からも

オーストラリアのオリンピックとパラリンピックの委員会は23日、同国の選手たちに向け、2021年夏(北半球)に向けて準備するよう指示した。

同国選手団の団長を務めるイアン・チェスターマン氏は、「大会を7月に開催できないのは明らかだ」と述べた。

一方、世界陸連のセバスチャン・コー会長は22日、IOCのバッハ会長に、7月開催は「現実的でも望ましくもない」とする書簡を送った。

アメリカの陸上競技連盟と、国際的なスポーツ選手らの団体「グローバル・アスリート」も延期を要望している。

グローバル・アスリート代表の英自転車選手カラム・スキナー氏は、「世界的流行がどんどん悪化し、社会の規制も強まっており、決断は今すぐなされる必要があると思う」と話した。