東京五輪の今夏開催、いっそう怪しく 安倍首相も延期に言及

Canada's flag bearer Rosannagh Maclennan leads her national delegation during the opening ceremony of the Rio 2016 Olympic Games at the Maracana stadium in Rio de Janeiro on August 5, 2016

画像提供, Getty Images

画像説明, カナダは東京五輪が今夏開催なら選手団を派遣しないと表明した。写真は2016年リオデジャネイロ五輪で開会式に臨んだカナダ選手団

今夏開催予定の東京オリンピック・パラリンピックは、カナダが主要国で初めて不参加を表明し、スケジュール通りの開催が一段と怪しくなってきた。

カナダ側の発表の前には、日本政府の安倍晋三首相が23日、東京五輪の延期の可能性に初めて言及した。

一方、オーストラリアのオリンピック委員会は同日、大会が予定通り開催されないのは「明らか」だとし、選手たちに2021年の開催に合わせて準備するよう指示した。

東京五輪は7月24日に開幕が予定されている。

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カナダは「難しい決断」

カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会は22日、選手やスポーツ団体、カナダ政府と協議の末、今夏の東京五輪には参加しないという「難しい決断」をしたと明らかにした。

また、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)、世界保健機関(WHO)に対し、大会を1年間延期するよう「強く求めた」とした。

声明では、「延長に伴う複雑な問題は認識しているが、カナダ選手と国際社会の健康と安全より大事なものはない」と述べている。

その後、ツイッターでも「パフォーマンス、記録、メダル以上。より大きなものの一部であるということだ」、「今日延期し、明日克服する」などのメッセージを発信した。

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安部首相が延期に言及

日本の大会関係者はこれまで、東京五輪の予定通りの開催を繰り返し表明してきた。

しかし23日になり、安倍首相は初めて、大会が延期となる可能性について国会で語った。

安倍氏は、「仮にそれ(完全な形での東京五輪の実施)が困難な場合には、アスリートのことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ないと考えている」と述べた。

一方で、中止は選択肢にないと強調した。

オリンピックが平時に延期となったことは、これまで一度もない。1940年に予定されていた東京五輪は、第2次世界大戦のため中止となった。

IOCは「人命優先」

IOCは22日、理事会を開いた後、東京五輪の延期を検討しており、4週間以内に結論を出すとの声明を発表した。

東京五輪の延期については「シナリオ」の1つとした一方、中止は「いかなる問題も解決せず、誰のためにもならない」と述べた。

トーマス・バッハ会長は選手に向けた書簡で、「人命はすべてに優先する。大会の開催よりもだ」、「私たちみんながくぐっているこの暗いトンネルの先では、どれくらい距離があるかわからないが、五輪聖火が輝いているだろう」と述べた。

他の国からも

オーストラリアのオリンピックとパラリンピックの委員会は23日、同国の選手たちに向け、2021年夏(北半球)に向けて準備するよう指示した。

同国選手団の団長を務めるイアン・チェスターマン氏は、「大会を7月に開催できないのは明らかだ」と述べた。

一方、世界陸連のセバスチャン・コー会長は22日、IOCのバッハ会長に、7月開催は「現実的でも望ましくもない」とする書簡を送った。

アメリカの陸上競技連盟と、国際的なスポーツ選手らの団体「グローバル・アスリート」も延期を要望している。

グローバル・アスリート代表の英自転車選手カラム・スキナー氏は、「世界的流行がどんどん悪化し、社会の規制も強まっており、決断は今すぐなされる必要があると思う」と話した。