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EU離脱運動の実業家、資金源について警察が捜査 BBC番組出演
英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決めた2016年6月の国民投票に向けて、英実業家アロン・バンクス氏が推進した離脱運動の資金源について警察が捜査に着手する中、バンクス氏は4日朝、BBC番組に出演し、資金はすべて自分の英国内の事業で得たものだと説明した。
バンクス氏が2016年の国民投票に向けて展開した「Leave.EU」(EU離脱)運動に貸し出した800万ポンドについて、その本当の資金源はバンクス氏ではないという訴えた英国選挙管理委員会に寄せられ、選管が英国家犯罪対策庁(NCA)に判断を仰いだところ、NCAが1日、捜査着手を発表した。
バンクス氏はブレグジットを推進したイギリス独立党(UKIP)の戦略担当だった。
4日朝のBBC番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演したバンクス氏は、司会のアンドリュー・マー記者に対して、ブレグジット推進運動の資金は自分が英国内の事業で得たものだと述べた。
英国では、外国からの献金を資金源にした政治活動は法律で禁止されている。
バンクス氏の「Leave.EU」運動はロシアから資金を得ていたという指摘が繰り返されているが、バンクス氏はこれを一貫して否定している。
「ロシア資金はなかったし、干渉も一切なかった。それは、はっきりさせておきたい」、「英国内の有限会社、ロック・サービセスからの資金だった」とバンクス氏は、番組で強調した。
マー記者はバンクス氏に、4日付の英紙サンデー・タイムズが、もし国民投票をやり直すとしたらバンクス氏はEU残留を支持するはずだと報じたことについても質問した。
これに対してバンクス氏は、「(タイムズ紙に)私が言ったのはこういうことです。英政界がいかに腐敗して汚らしいところかを目にした。ブレグジットをめぐり政府がいかにみっともない真似をして、妥協しているかも目にした。なので今またチャンスがあるなら、今のおぞましい状態を招くよりは、EUに残っていたほうがましだったと思うという意味です」と答えた。
アロン・バンクス氏とは
- 南西部ブリストルを活動拠点とする保険業界の大物で、独立前は保険大手ロイズの引受人だった。
- 保守党支持者だったが、2014年にUKIP支持に転じ、100ポンドを寄付した。UKIPの中心的存在だったファラージ氏の友人で支持者。
- 英政治史上でも特に巨額の政治献金をした1人として知られる。「Leave.EU」とUKIPに960万ポンドを献金したとされる。
- 2016年のEU国民投票に向けて、「Leave.EU」は公式の離脱運動の立場を「Vote Leave」と争って敗れた。
- 「Leave.EU」は、EUからの移民に反発する有権者への働きかけを主眼にしていた。
NCA捜査の焦点は
選挙管理委員会は、「Leave.EU」への巨額献金はロック・サービセスの親会社「ロック・ホールディングス」が出所だった可能性を疑っている。ロック・ホールディングスはマン島に法人登記されている。マン島は法的には英国の一部ではないため、同社は「いかなる形でも合法的に『Leave.EU』に献金も資金貸与することもできない」と選管は指摘した。
選管は報告書で、ロック・サービセスはペーパーカンパニーに過ぎず、「Leave.EU」運動を展開した「Better for the Country (国にとってこちらの方が良い、BFTC)」社に800万ポンドを提供できるだけの資金を、英国内で作り出すことなどできなかったようだと指摘した。これに対してバンクス氏は、ロック・サービセスはペーパーカンパニーではないと反論した。
選管は、マン島における金銭取引に対して捜査権を持つNCAに判断を仰ぎ、NCAが捜査着手を決定した。
NCAとは別に、ロンドン警視庁は「Leave.EU」が支出上限に違反したかどうかについて、捜査着手を検討している。ロンドン警視庁は、「Vote Leave」運度についても選挙管理法違反の疑いを調べている。
バンクス氏の主張
選管の指摘に対してバンクス氏は、ロック・サービセスはペーパーカンパニーではないと反論しているが、その役割についてこれまで2つの異なる説明をしてきた。
今年6月に英下院の文化・メディア・スポーツ特別委員会に対して証言した際には、バンクス氏はロック・サービセスについて「ただのサービス提供企業」だと説明していた。
「実際の資金は、自分の関連企業のひとつが調達した」とバンクス氏は下院委員会で話した。
一方で、「アンドリュー・マー・ショー」では、ロック・サービセスは英国内の有限会社で、800万ドルは「英国内で引き受けた保険事業」から調達したと述べた。
「我々は保険料収入が2億5000万ポンドある。事業としてかなりの規模だ」とバンクス氏は番組で述べ、ロック・サービセスには「いろいろな収益源がある」と話したが詳細は明らかにしなかった。
6月に下院委員会でバンクス氏に質問した野党・労働党のイアン・ルーカス議員はBBCニュースに対して、「番組のインタビューによっていくつか矛盾点が浮かび上がったが、バンクス氏がいまだに資金の出所についてまともに説明していないのが、根本的な問題だと思う」と話した。
さらに英紙オブザーバーは、バンクス氏は自分の保険会社と「Leave.EU」の関係について、事実と異なる内容を英下院で証言したと報道。バンクス氏の保険会社エルドン社の従業員が会社内で「Leave.EU」の仕事をしていたことを示すメールの内容を伝えた。
英下院文化・メディア・スポーツ特別委員会のデイミアン・コリンズ委員長(保守党)は同紙に対して、報道されたメールの内容はバンクス氏が6月に下院で証言した内容と「まったく正反対だ」と批判した。
これについてBBC番組で質問されたバンクス氏は「あれは盗まれたメールだ」と反論すると共に、司会のマー記者に、保険会社の社員は短期契約で「Leave.EU」に転職し、選管にも適切に報告していたと説明した。
一方で選管は、「Leave.EU」が「エルドン社への支出も、同社からの献金も報告していない」と反論している。