強姦被害者支援の活動家2人にノーベル平和賞

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ノルウェーのノーベル委員会は5日、強姦被害者を支援する活動家、ナディア・ムラド氏とデニ・ムクウェゲ医師にノーベル平和賞を授与すると発表した。
ムラド氏はイラクの少数派ヤジディ教徒で、過激派「イスラム国」(IS)に拷問、強姦された後、脱出し、ISに捕らわれたヤジディ教徒解放に奔走した活動家。現在は国連親善大使として人身売買被害者の救済のため活動し、強姦など性暴力が戦争の武器として使われる現状に対して国際社会として取り組むよう訴えてきた。
婦人科医のムクウェゲ医師は、紛争の続くコンゴ民主共和国東部で強姦被害者の治療に取り組み、戦争の武器として使われる性暴力による重傷の治療法を確立してきた。
オスロで受賞者を発表したノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は授賞理由について、両氏は「戦争の武器として性暴力が使われるのを終わらせようと努力してきた」ことを挙げ、両氏が「そのような戦争犯罪について社会が認識し、戦っていくよう、重要な貢献」を果たしたと称えた。
「私たちの被害を世界に見てもらいたい」
ムラド氏は3カ月にわたりISに性奴隷として扱われ、繰り返し売買され、性暴力を含め様々形で虐待された。
2014年11月に脱出した後、ヤジディ教徒の人身売買を終わらせるために活動家となり、戦闘手段としての強姦に厳罰を適用するよう国際社会に呼びかけるようになった。
ISから脱出して間もないムラド氏を取材したBBCペルシャ語のナフィエ・コナバルド記者は、ノーベル平和賞の発表後、当時の写真をツイートした。
記者は写真と共に、「私はナディア・ムラドがモスルを脱出した翌日に、彼女と会った。匿名でインタビューを撮影することもできると伝えたが、彼女はそれを断った。『いいえ、私たちがどういう目に遭ったのか、世界に見てもらいましょう』と言って。その彼女は今や、ノーベル平和賞受賞者だ」と書いた。

ムラド氏は2016年、欧州評議会からバーツラフ・ハベル人権賞を授与され、受賞スピーチではISによる犯罪を国際裁判所に裁いてもらいたいと呼びかけた。
同年には、人身売買被害者の救済を訴える国連親善大使に選ばれた。
3万人の強姦被害者を治療
ムクウェゲ医師は、女性への性暴力が戦闘行為の一貫として行われるコンゴ民主共和国で、同僚たちと共に強姦被害者を治療してきた。患者の人数は約3万人と言われる。被害者の多くは、性器など身体に深刻な重傷を負っている場合が多く、ムクウェゲ医師は再建手術などの治療法を確立し、被害者に提供してきた。

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2008年の国連人権賞など様々な賞に選ばれ、2008年にはナイジェリア紙が選ぶ「今年のアフリカ人」に選ばれたほか、2014年には欧州議会が優れた人権活動家に贈る「思想と自由のためのサハロフ賞」を受賞した。
国連平和維持部隊の警護を受けながら、コンゴ東部ブカブのパンジー医院で生活している。戦闘行為としての強姦を厳しく取り締まるよう、国際社会に呼びかけてきた。









