G7首脳会議、混乱して閉幕 トランプ氏、合意文書の不承認を指示

Donald Trump and G7 officials

画像提供, JESCO DENZE

画像説明, トランプ米大統領とメルケル独首相、安倍首相、各国政府関係者たち(9日、カナダ・シャルルボワ。写真はドイツ政府撮影)
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カナダ東部シャルルボワで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は9日、ドナルド・トランプ米大統領がいったん発表された合意文書(コミュニケ)への承認を撤回し、大混乱の内に終わった。トランプ氏は、議長国カナダを「不正直だ」と非難し、諸外国が「莫大な関税」を米国にかけようとしていると糾弾した。

G7サミットは、トランプ政権による鉄鋼・アルミへの輸入関税をめぐりぎくしゃくしながら進み、合意文書の取りまとめも難航した。それでも「ルールに基づく国際秩序」を推進すると合意し、「自由、公平で相互利益になる貿易と投資は(中略)成長と雇用創出の主要原動力」だと確認し合った。さらに、「関税障壁、非関税障壁の削減に向けて努力する」と宣言した。

さらに首脳合意文書では、ロシア政府に「不安定化行動を停止」し、「民主主義を損なおうとする」行為をやめるよう求めた。シリアのアサド政権支援も中止するよう呼びかけている。イランについては、核開発事業が「恒久的に」平和的なものであり続けると約束するよう求めた。

米政府はいったんこのコミュニケに合意し、トランプ氏は署名していた。しかし、米朝首脳会議が開かれるシンガポールへ向かう機内で、トランプ氏は「自動車関税を検討するので、コミュニケを承認しないよう」政府担当者に指示したとツイートした。

「ジャスティン(トルドー・カナダ首相)が記者会見で事実と異なる発言をしたことや、カナダが米国の農業関係者や労働者や企業に莫大な関税を課していることをもとに、コミュニケを承認しないよう米政府代表に指示した。まずは米国市場をあふれさせている自動車への関税を検討する」とトランプ氏は書いた。

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さらに大統領は続けて、「カナダのジャスティン・トルドー首相はG7会合の最中はすごくおとなしくて穏やかだったのに、僕がいなくなったら記者会見して、『米国関税はいささか無礼だ』、『好き勝手な真似はさせない』とか言ったりしている。非常に不正直で弱虫だ。我々の関税は、カナダが乳製品に270%もかけてることへの反応だ!」と書いた。

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トランプ氏はサミット閉会前に出発していた。その機内ツイートに先駆けて、閉幕後に記者会見して合意文書を発表したトルドー首相は、トランプ氏が鉄鋼・アルミ製品関税を、国家安全保障を理由に正当化しようとするのは「いささか無礼だ」と発言し、「事態を憂慮しながらも、明確に、かつ断固として、7月1日には報復措置を発動する」と述べていた。

トルドー氏はさらに、「カナダ人は礼儀正しく合理的だが、好き勝手にされるがままなどあり得ない」と言明した。

カナダ首相官邸は、トルドー氏の発言内容は今回初めてのものではなく、これまでも公の場だけでなく、トランプ氏との個人的会話のなかでも繰り返してきたことだと説明した。

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米政府は6月1日、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコからの鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の輸入関税を導入した。トランプ氏は、米国の安全保障に不可欠な国内生産業者を守るための措置だと説明していた。

EUは報復措置として、米国製オートバイからバーボンに至る様々な品目に報復関税を導入すると発表。カナダ、メキシコも報復措置に向けて動いている。

コミュニケ発表に先立ち、トランプ氏はG7内の関税ゼロを提案した各国首脳との協議は「非常に生産的」だったと、報道陣に話していた。トランプ氏はさらに、「米国はもう何十年も、便利に使われてきた」、「みんなが金を盗み続ける貯金箱」のように扱われてきたと持説を展開した。

米国の関税に対する同盟諸国からの報復措置については、「間違い」で、貿易戦争にまで発展すれば、米国が「千回中、千回、その戦争に勝つ」と強気を示した。

German Chancellor Angela Merkel, Christine Lagarde and US President Donald Trump during the Gender Equality Advisory Council working breakfast on the second day of the G7 Summit on June 9, 2018 in Quebec City, Canada

画像提供, Getty Images

画像説明, G7サミット2日目に開かれた性(ジェンダー)平等諮問会議の朝食階に出席した、トランプ大統領。向かって左は、クリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、アンゲラ・メルケル独首相(9日、カナダ・ケベック)