南極のロス海、世界最大の海洋保護区に

画像提供, John B. Weller
南極の太平洋側にある海域、ロス海を海洋保護区(MPA)に指定することで、24カ国と欧州連合(EU)が27日、合意した。
海域の広さは157万平方キロに及び、世界最大の海洋保護区になる。保護区内では漁獲が35年間禁止される。
地球上で最も手付かずの環境が残るとされる海域の保護指定を、活動家らは歓迎しており、今後もさらに指定海域が増えると考えている。
豪ホバートで開かれている南極の海洋生物資源の保存に関する条約(CCAMLR)加盟国の会合で合意を発表したニュージーランドのマリー・マカリー外相は、指定は全会一致で決まったと述べた。指定をめぐっては長年交渉が停滞していた。
ロス海とその大陸棚、大陸斜面は南極海のわずか2%を占めるが、アデリーペンギンの38%、アシナガウミツバメの30%、クロミンククジラの約6%が同海域に生息している。
ロス海では、海水が深層から湧き上がる湧昇現象によって大量の栄養素が表層に運ばれており、海流によって世界中に供給されている。
また、ロス海はクジラやアシカのエサになるオキアミが豊富だ。また、オキアミ油はサケの養殖に不可欠。しかし、乱獲や気候変動がオキアミを減少させる懸念がある。

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ニュージーランドと米国が共同で出した保護区指定の提案は、海洋生物や鉱物を含む全てを海域から取り出すのを禁止するといういもの。
参加国間の交渉で、研究目的でのオキアミとアイナメの捕獲ができる海域が設けられることになった。
国連環境計画(UNEP)の「海洋の保護者」として活動するルイス・ピューさんは、長年ロス海のMPA指定を訴えてきた。ピューさんは今回の合意を受け、「ものすごくうれしい」と語った。「陸でも海でも最も広い保護区になる。これまでほぼ保護されていなかった外洋で、初めて大規模なMPAになる」。
(マット・マグラス環境担当特派員)






