チャールズ英国王、フランス公式訪問 パリ市内で「国王万歳」の声も
イギリスのチャールズ国王夫妻は20日、3日間の日程でフランスへの公式訪問を開始した。当初は今年3月に予定されていたが、当時フランスは年金改革をめぐり国内で抗議行動が激化していたため、延期されていた。
オルリー空港でエリザベット・ボルヌ仏首相に出迎えられた国王夫妻は、パリ中心部の凱旋門前でエマニュエル・マクロン大統領夫妻と共に、無名戦士の墓で追悼の火をあらためてともす式典に出席。無名戦士の墓に、花輪を供えた。
大統領と国王はエリゼ宮(大統領官邸)で会談後、市内を駐仏イギリス大使公邸へ向かって歩いた。チャールズ国王が立ち止まって、沿道に並ぶ人たちと握手や言葉を交わすと、集まった人たちの中からフランス語で「国王万歳!」の声も上がった。
イギリス大使公邸に着くと、国王と大統領は故エリザベス2世の先例にならい、庭に植樹した。
同日夜にはパリ郊外のヴェルサイユ宮殿で、公式晩さん会が開かれた。両国政府関係者のほか、英俳優ヒュー・グラントさんや英ミュージシャンのミック・ジャガーさんたちも出席した。
晩さん会の冒頭でチャールズ国王は、英語とフランス語の両方でスピーチを披露。自分の母親が新婚当時の1948年に、パリで仏歌手エディット・ピアフさんの歌を聴きながら踊ったと聞かされたのだと話した。そのころエリザベス王女だった女王はチャールズ国王を妊娠中で、「その経験は私にぬぐいがたい印象を残したのだと思います。生まれる6カ月前のこととはいえ。いまだに『バラ色の人生』は大好きな曲の一つです」と述べた。
BBCのショーン・コクラン王室担当編集委員は、今回の公式訪問の何よりの目的は、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)によって悪化したかもしれない両国の関係を、目に見える形で改善し強化することだと説明。貿易や環境、文化、防衛などで利害関係の再確認が行われる見通しだとした。
英コンサルタント会社ポートランド・コミュニケーションズが2000人以上を対象に調べたところ、イギリスとフランスは時には「けんか」をするかもしれないが結局のところ両国は「当然のように友人同士で、緊密な同盟国同士」なのだと、イギリスの72%とフランスの76%が回答したと、コクラン記者は説明する。
他方、王政について両国の態度は大きく異なり、イギリスのような立憲君主制を希望するフランスの人は約25%にとどまるのに対し、フランスのような共和制を希望するイギリスの人も約25%だったという。
同じ調査によると、フランスに住む大多数が警察と治安維持はイギリスの方が優れていると答えたものの、フランス料理よりイギリス料理の方が好きだと答えた人は10%だった。
さらに、ブレグジットの是非を決める2016年の英国民投票に、もしチャールズ国王(当時は皇太子)が投票していたなら、欧州連合(EU)残留を支持したはずだと、イギリスの回答者の大多数が答えたという。



