ゼレンスキー大統領が米議会で演説、「9/11を思い出して」と ウクライナ侵攻
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日、アメリカの連邦議会でビデオ演説を行った。ロシアの侵攻を2001年の米国同時多発攻撃などになぞらえ、軍事支援の拡大を訴えた。
ゼレンスキー氏は演説で、アメリカの議員らに1941年の真珠湾攻撃や2001年9月11日の攻撃を思い出すよう促し、「同じことを私たちの国は毎日、毎晩、もう3週間経験している」と述べた。
また、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説を引用。「私には夢がある。この言葉は皆さん一人ひとりが知っているものですが、今日私は、私には必要なものがあると申し上げます。私は空を守る必要があるのです」と述べ、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、ウクライナ上空を飛行禁止区域にするよう再度要求した。
演説の途中では、ウクライナの都市へのミサイル攻撃や、それによる死者や負傷者を映した生々しい映像を公開した。
最後にはジョー・バイデン大統領に英語で語り掛け、「あなたは一国のリーダー、偉大な国のリーダーだ。世界のリーダーにもなってもらいたい。世界のリーダーであることは、平和のリーダであることだ」と締めくくった。
ゼレンスキー大統領の議会演説から数時間後、ホワイトハウスは8億ドル(約950億円)規模の武器供与追加を発表。アメリカのウクライナ支援はこれで10億ドルに達した。追加供与される武器には、携帯型地対空ミサイル「スティンガー」800基、対戦車ミサイル「ジャヴェリン」基、AT4携行対戦車システム6000基、戦術ドローンシステム100基、グレネードランチャー100門のほか、ライフル銃5000丁や機関銃400丁、ショットガン400兆、砲弾、ボディアーマー(全身防護服)2万5000個、ヘルメット2万5000個などが含まれる。
演説の後、ナンシー・ペロシ下院議長は、ウクライナ大統領から話を聞けたことは「特に光栄なこと」であり、アメリカの「勇気を持って民主主義を守るウクライナの人々への支援は揺るぎない」とツイートした。
BBCのアンソニー・ザーカー北米記者は、ゼレンスキー氏はウクライナの状況を、文字通りにも比喩的にも、外国の聴衆が理解できるよう訴える方法をつかんでいると解説。
キング牧師などを引用し、戦場の映像を挟み、最後には英語で欧州や世界の価値のために戦っていると訴えることで、アメリカや同盟国は「ノー」と言い難くなると、ゼレンスキー氏は期待しているのかもしれないと報じた。
ゼレンスキー氏は9日にも、イギリス下院にビデオリンクで演説を行い、ウィンストン・チャーチル元英首相の言葉を引き合いに、「我々は降伏せず、負けず、最後までやり抜く」と述べた。



