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トランプ氏のCNN番組発言は「ばかげている」 共和党ライバルら酷評
アンソニー・ザーカー、北米担当編集委員
ドナルド・トランプ前米大統領が10日夜、CNNのタウンホール集会に1時間以上出演した。来年の大統領選の共和党指名争いで先頭を走るトランプ氏について、集会の中継がまだ終わらないうちに、ライバルから攻撃ツイートや声明、プレスリリースが出始めた。ライバルとは、大統領選立候補を発表した人と見込まれている人の両方のことだ。
CNNのケイトラン・コリンズ記者が司会を務めた集会では、中絶や外交政策、2020年大統領選で不正があったとするトランプ氏の根拠のない主張、2021年1月6日の米議会襲撃事件で逮捕された人々への同情などが、話題となった。トランプ氏は次々と、激しい持論を展開した。
近いうちに大統領選の運動を開始するとみられているフロリダ州のロン・デサンティス知事は、集会でのやりとりがまるで口論のようだったことや、トランプ氏がしきりと2020年大統領選を蒸し返そうとしたことに着目。知事の立候補を支援する委員会は、「トランプが過去にとらわれていることを証明したばかげた1時間」だったとする声明を発表した。
声明はまた、共和党予備選の重要テーマとなる中絶と銃規制について、トランプ氏の答えが時折あいまいだったと強調。
「それでどうやってアメリカを再び偉大にするのか」と問いただした。
現時点でトランプ氏支持の考えを固めていない共和党の有権者にとっては、同氏が2020年大統領選の結果に固執しているのは懸念材料となった(トランプ氏のこだわりは集会の早い段階で示され、その後もたびたび見受けられた)。
大統領選で勝利する側の選挙運動は、候補者の未来へのビジョンを示すのが典型となっている(バラク・オバマの「希望と変革」、トランプ氏の「アメリカを再び偉大にする」など)。しかし、トランプ氏による2024年大統領選の選挙運動は、前回選挙の敗北を蒸し返すことに終始しがちだ。
トランプ氏の他のライバルたちは、ほかのことについても攻撃した。
2016年大統領選でトランプ氏に対抗して立候補したものの、後にトランプ氏を支持したクリス・クリスティー元ニュージャージー州知事は、トランプ氏がウクライナでの戦争で誰に勝ってほしいか明言しないことにスポットライトを当てた。
「ドナルド・トランプは今夜CNNで、ウクライナでの戦争を24時間で終わらせると言った」とクリスティー氏はツイート。「実にばかげた発言だが、彼はウクライナをプーチンとロシアに引き渡すことでそれを実行しようとするのではないか。#Putin'sPuppet(プーチンの操り人形)」と書いた。クリスティー氏も来年の大統領選に出る可能性がある。
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大統領選へ向けた運動を最近スタートさせたばかりのエイサ・ハッチンソン元アーカンソー州知事も、トランプ氏のウクライナに関する立場を標的にした。
「トランプはロシアを支援し、ウクライナを売り渡すつもりだ。そのことを彼は今夜、皆に思い出させた」とハッチンソン氏はツイート。「そんな弱腰な姿勢では、戦争は勝てない」とした。
アメリカのウクライナ支援をめぐっては、継続に懐疑的な共和党支持者が増えつつあると、世論調査結果が出ている。それをふまえると、ウクライナをめぐるトランプ氏の姿勢をことさら取り上げるのは興味深い選択だ。この問題に関しては、トランプ氏に批判的な元州知事たちよりトランプ氏の方が、共和党支持者たちに近いのかもしれない。
今回の集会全体をナンセンスだとするデサンティス氏側の見方には、多くのメディアアナリストやコメンテーターたちも同意した。ただ多くの人が、誰より責められるべきなのは、集会の形式と設定を決めたCNNだと断じた。
共和党の元戦略顧問で、トランプ氏を厳しく批判しているスティーヴ・シュミット氏は、「CNNは今夜、頭のねじが外れた病的なうそつきを、おべっか使いの観客の前に出して、世界的なテレビイベントを作り出し、それを『ニュース』と呼んだ」とツイート。「とんでもなかった」とした。
同様の意見は、民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員も表明。CNNは「恥を知るべきだ」と書いた。
民主党はほくそ笑む
集会がどう進むのか注視していた民主党関係者たちは、喜びを隠し切れない様子だった。トランプ氏のさまざまな発言の映像を今後、同氏への攻撃広告で活用するつもりだという。
民主党関係者らはほかに、中絶に関する回答(「ロー対ウェイド」判決が認めた中絶の権利を撤廃させたのは自分だと自慢)は、トランプ氏にとって大打撃になると強調した。
「あれはトランプにとって大惨事だった」と、民主党幹部の1人はCBSニュースに語った。「アメリカ国民は改めて、過激で危険な男について知ることになった。その男は、ロー対ウェイド判決を覆せて光栄だと言い放ったのだ。あれがこの夜のベストショットだ」。
ジョー・バイデン大統領は集会が終わった後、ツイッターで簡潔に反応。「もう4年、あれがほしいか?」と問いかけ、こう続けた。「ほしくないなら、私たちの運動に協力を」。
一方、トランプ氏の選挙運動チームは、この夜は成功だったと主張した。トランプ氏はゴールデンタイムで1時間以上も注目を集めた。集会の会場に現れた時にはスタンディングオベーションを浴びた。観客はトランプ氏のジョークに笑い、コリンズ氏と言葉を応酬させるトランプ氏に拍手を送った。
トランプ氏の顧問を務めるブライアン・ランザ氏は、「終わってみれば、大統領(トランプ氏)が勝利したと思った」とBBCに話した。
「自分に敵対的なはずの場に乗り込んで、生き延びた。このタウンホール集会を経て、いっそう強くなるだろう」