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【ラグビーW杯】 目指せ日本 決勝に駆けつけるイングランドのサポーターたち
ベッキー・グレイ、BBCスポーツ(日本)
日本を目指すイギリス人が急増している。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、イングランドが決勝に進んだからだ。
イングランドが26日の準決勝でニュージーランドに勝利すると、東京への航空便の値段が急上昇した。
イングランドが2003年大会以来となる世界王者になる――。そんな期待がイングランドのファンの間でふくらみ、その瞬間を間近で見たいという人があわてて動き出したためだ。
チケット最安20万円
ただ、横浜国際総合競技場で11月2日に開かれる決勝のプラチナチケットは安くはない。
すべての席が何カ月も前に売り切れている。オンラインのチケット販売業者が提示している最安値は、21日午後の時点で1386ポンド(約20万円)だ。その10倍近い値段がつけられているものもある。
そもそも日本に行くのが大変だ。航空運賃比較サイトのスカイスキャナーによると、イングランドが決勝進出を決めてから、イギリスから東京へ向かう旅行の検索が3534%増えたという。
ブリティッシュ・エアウェイズは、イングランドのサポーターのために、増便を検討している。
すべてを犠牲にしても、イングランドが南アフリカに勝利するのをこの目で見ようとしている人は、いったいどんな人たちなのか。BBCスポーツは、そうしたファン3人に話を聞いた。
往復に2日、日本には1日
ロブ・マキューインさん(41)と友人は、それぞれ息子たちと一緒に、サリー州サービトンのパブで準決勝を観戦していた。
決勝を日本で見ようという案が出たとき、マキューインさんは冗談かと思ったという。
しかし、まもなくして友人たちが真剣だとわかり、マキューインさんも急いで帰宅して妻に相談した。
マキューインさんはツイッターに、「土曜日は急激に進展した。午前8時半にラグビーを見にパブに。9時2分、オールブラックス(ニュージーランド代表)相手にリード。10時15分、朝食。10時40分、決勝進出だ! 12時半、週末の決勝の観戦チケット、航空券、ホテルを予約完了。寝ていたほうが安く済んだ」と書き込んだ。
「気づいたら友達のポールが、予約できたとメールを送ってきていた」とマキューインさんは言う。
「航空券と決勝の観戦チケット、ホテルで1人約2500ポンド(約35万円)だった。ニュージーランドとの試合が終わって2時間もたたないうちに全部取れた」
「みんな興奮状態だった。イングランドがこれほどいいプレーをするなんて信じられなかった」
仕事の休みを減らすため、マキューインさんたちは、日本に滞在する時間よりも長い時間を往復に費やす。
ロンドンから上海経由で16時間かけて、土曜日の試合開始5時間前に東京に到着。日曜日の午後1時50分(日本時間)に東京を出発し、逆コースでロンドンに戻る。
「予約したときには興奮したけど、数時間たつとちょっとストレスを感じた」とマキューインさんは認める。
「でも、すべていい結果になると思う」
ツイッター介して1000ポンド
ロブ・ルイスさん(36)が決勝を観戦できるかは、見知らぬ人の手に委ねられていた。
「そんなことできっこないと、ばかにした友人たちを見返すため」に日本行きを決心したルイスさんは、チケット探しにツイッターを使った。
「正規の販売業者と思われる人から提示を受け、2枚分を1000ポンドで買った」と、サンベリーオンテムズ在住のルイスさんは言う。
すでに、パリ経由で東京に行く航空券に650ポンドを払っていた。しかし、チケットを入手できるかは、出発日にならないとわからなかった。
「午前10時前に宅配業者が届けてくれないと間に合わなかったし、実際に届くまでは何の保証もなかった」とルイスさんは言う。
「私の人類への信頼がかかっていた」
しかし不幸にも、計画どおりには行かなかった。ルイスさんはツイッターで、「チケットは来ない。1000ポンドはどのみち惜しくない」とつぶやいた。
その後、販売業者から当日にスタジアムでチケットを渡すという連絡を受けたルイスさんは、一縷(いちる)の望みをかけてパリ経由で日本に到着している。
ひとり旅
スティーヴ・バッキンガムさんのいつもの「ラグビー仲間」は、娘のマチルダさんだ。しかし、彼女は職場で休みが取れなかったため、バッキンガムさんは1人で日本に向かう。
10月で53歳になった。イングランドの準決勝のプレーを見て、少し遅れた自分への誕生日プレゼントに、日本行きはちょうどいいと考えた。
26日を丸一日使い、チケットを探した。そして27日、ついに1枚入手。次に航空券を探した。
バッキンガムさんは30日夜にイギリスを出て、シンガポール経由で24時間後に東京に着く。
決勝の翌日には、約400キロ離れた大阪に移動し、ロンドンへの飛行機に乗り込む。それでも、この旅にそれだけの価値はあると信じている。
「2015年W杯に行き、イングランドの1次リーグ敗退にがっかりした。その私にとっては、これは参加しなきゃだめな大会なんだ」と、エセックス在住のバッキンガムさんは言う。
「娘が一緒じゃないことだけが残念だ」
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