イスラエル、国連パレスチナ救済機関の施設を取り壊し BBC特派員が取材
イスラエルは20日、占領下の東エルサレムで、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部の取り壊しを開始した。
イスラエルは、複合施設が立つ土地は自国が所有していると主張。また、UNRWAにパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが浸透していると非難している。
これに対しUNRWAは、施設は国際条約の下で保護されていると説明。また、2023年10月7日にハマスが主導した襲撃にUNRWAの職員9人が関与していた可能性は認めつつも、それ以上に広範な関与があったとの疑惑について、イスラエルは何も立証していないとしている。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、この破壊行為を非難。事務総長報道官は、イスラエル政府に対し、国連に「遅滞なく」この施設を「返還し、原状を回復する」よう求めたと述べた。
UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長はソーシャルメディアで、「国連の特権および免除を含む国際法に対する、公然かつ意図的な挑戦だ」と述べた。
イスラエルは昨年、UNRWAがイスラエルおよび占領下の東エルサレムで活動することを禁じる法案を可決した。本部施設の解体は、これを受けて始まった。
国連施設は「国連の特権及び免除に関する条約」で保護されており、「捜索、徴発、没収、収用その他の形式の干渉」から免除されている。
しかしイスラエルは、UNRWA職員がハマス主導の攻撃に関与していたとする自らの主張を理由に、そうした保護は無効だとしている。
イスラエル外務省は声明で、UNRWAを「テロの温床」と呼んでいる。
この日、現場を視察したイスラエルのイタマル・ベン=グヴィル国家安全保障相は、イスラエルにとって「歴史的な日」だと述べた。
本部が解体され、東エルサレムにある他の施設も標的にされている中、UNRWAのヨルダン川西岸地区とガザ地区での活動は続いている。
UNRWAは数千人の職員を雇用しており、1949年の設立以来、占領地でパレスチナ難民とその子孫に福祉や職業訓練を提供してきた。
しかしその活動は、ガザでの戦争によって深刻な影響を受けている。
国連によると、イスラエルの攻撃によりUNRWAの職員300人以上が殺された。また、イスラエルが主張する共謀疑惑も一因となって、同機関は深刻な資金難にも直面している。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長はすでに、UNRWAとその資産を標的としたイスラエルの法律をめぐり、国際司法裁判所に提訴する可能性を示している。
ジョン・サドワース特派員が解体現場から報告する。









