英国王夫妻が9/11博物館で献花、訪米3日目 文化・慈善事業イベントに参加も

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ショーン・コクラン王室担当編集委員(ニューヨーク)、ガブリエラ・ポメロイ記者
アメリカを公式訪問しているイギリスの国王チャールズ3世とカミラ王妃は29日、ニューヨーク市の9月11日(同時多発攻撃)博物館で献花した。訪米3日目となるこの日、夫妻はその後、図書館や農園でのイベントに参加したほか、国王が設立した若者支援の信託基金のレセプションにも出席した。
2001年の同時多発攻撃で命を奪われた約3000人を追悼するこの場所を、国王夫妻が訪れるのは初めて。
2人は遺族と面会したほか、救助活動に当たった初動対応者らとも言葉を交わした。現地には、ニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長や、元市長のマイケル・ブルームバーグ氏といった要人も出席した。

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国王と王妃は、犠牲者を追悼するために設けられた深い人工池のそばに、白いバラの花束を手向けた。
手書きのメッセージには、「2001年9月11日に、あまりにも悲劇的な形で命を落とした方々を追悼します。深い喪失に直面するアメリカ国民に、私たちは揺るぎない連帯を示します。チャールズ R カミラ」と記されていた。
国王夫妻は、犠牲者の家族を支援してきた慈善団体の関係者や、2001年にこの地で起きた出来事の記憶を継承する教育団体の代表とも話した。

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チャールズ国王は28日に行った米連邦議会での演説でも、同時多発攻撃の重大さに言及していた。
演説の中で国王は、「この残虐行為は、アメリカにとって決定的な瞬間であり、皆さんの痛みと衝撃は、世界中で共有された」と述べた。
また、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国を防衛するために動員されたのは、この攻撃の直後の一度きりだと強調。NATOへの支持を維持するよう、アメリカの議員らに呼びかけた。
さらに、「ウクライナを防衛するためには、同じような揺るぎない決意が必要だ」と訴えた。
図書館と農園で子供たちと

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カミラ王妃はその後、ニューヨーク公共図書館を訪問し、識字率の重要性に注目するイベントに参加した。
王妃は図書館での演説で、書籍の世界を広げる力について説明し、「私が最初に知り、愛したアメリカ人は、『若草物語』や『ホワット・ケイティ・ディド』、そして『シャーロットのおくりもの』といった、私にとってとても大切な児童文学の中で出会った登場人物たちだった」と述べた。
カミラ王妃は長年にわたって識字率の向上と読書の推進に力を注いできた活動家で、この日は子供たちに「くまのプーさん」を読み聞かせた。
ニューヨーク公共図書館では1987年以降、1920年代に作られ、「くまのプーさん」の物語の着想のもとになったオリジナルのぬいぐるみが展示されている。
しかし、プーさんの友達であるカンガルーの子供、ルーの人形は、1930年代以降、行方が分からなくなっていた。
王妃は今回、オリジナルと同じ製造会社が製作したルーの人形を、イギリスから持参し、図書館に寄贈した。
この催しには、俳優のサラ・ジェシカ・パーカー氏や、米ファッション誌ヴォーグのアナ・ウィンター元編集長も出席した。
王妃はこのほか、アメリカとイギリスが共有してきた250年にわたる文学史をたどる図書館のコレクションも視察した。

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一方チャールズ国王は、教育と健康的な食に取り組む「ハーレム・グロウン」を訪れた。
国王は子供たちと共にニワトリにえさを与え、ラヴェンダーやカラシナを植えるのを手伝った。
29日夜には、チャールズ国王が皇太子時代に設立し、現在は「国王基金」となった信託基金のための華やかなレセプションが開かれた。この基金は、教育プログラムや若者の自然への理解を深める活動を支援している。
国王夫妻が出席したほか、歌手のライオネル・リッチー氏、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー氏やドナテラ・ヴェルサーチ氏、マーサ・スチュワート氏といった著名人が顔をそろえた。

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一方でこの日は、ドナルド・トランプ米大統領による外交上の波紋もあった。トランプ大統領は、チャールズ国王が自身のイランに対する対応方針に同調したはずだと示唆した。
米・イスラエルとイランとの戦争をめぐっては、トランプ氏がイギリスの初期の対応に不満を示して以降、英米間で政治的な緊張が生まれている。
こうしたなか、トランプ大統領は、「もし彼がそれを行っていたなら、もしそれが彼の判断に委ねられていたなら、彼はおそらく、イランをめぐって私たちを助けていただろう」と述べた。
この発言について、BBCは国王の公務を管理する英バッキンガム宮殿にコメントを求めている。








